
2021年上期末の顧客サイト数が前年同期比で4倍に急伸したEC構築・運営の支援企業がある。韓国発で日本、中国、台湾などでもEC構築・運営の支援サービスを展開するCafe24の日本法人、CAFE24 JAPAN(東京・港)だ。日本で急伸しているそのサービスの中身から、アマゾンの攻勢に対抗するためのヒントを探った。
本特集で取り上げてきたように、アマゾンが攻勢をかけてきても対抗できるだけのビジネスを展開しているリアル店は、実は数多い。ではアマゾンの本丸ともいえるECの領域ではどうだろうか。日本で急成長しているCAFE24 JAPANのサービスには、アマゾンの攻勢に対抗できるいくつかの特徴が備わっている。
まず、CAFE24 JAPANが提供するツールを使ってユーザー(企業)がECサイトを構築すると、その後に簡単な操作をするだけで、全世界に約30億人の利用者を抱える「Facebook」と「Instagram」上に、無料でショップを開設することができる。ECサイトと連動してEC上の商品をソーシャルメディア上に表示し、興味を持った利用者をECサイトに誘導して新規顧客獲得につなげる仕組みだ。米フェイスブックが提供するすべてのSNS上の販売・広告サービスをまとめて管理できるECサービス「Facebookチャネル」のグローバルパートナーの1社がCafe24であるため、できる芸当である。
CAFE24 JAPAN代表取締役社長の正代誠氏は、「Cafe24が20年5月にフェイスブックのグローバルパートナーになって以降、ECを開設したいユーザー企業からの引き合いが急増した」とその効果を語る。
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アマゾンで検索する前に利用者を取り込む
実際、ECの領域でアマゾンが絶大な強さを示すのは、商品の購入を考えた利用者の多くが、最初にアマゾンのサイトで商品を検索するからだ(参考記事「アマゾンから購入直前の顧客を横取り 大手銀が奇策を投入」)。
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