打倒アマゾンの戦い方

アマゾンの業容拡大やネット販売の進展による様々な業界への影響を意味する「アマゾンエフェクト」。アマゾンが本格的に攻め込めないでいる分野が、中古品の二次流通での局地戦だ。アマゾンエフェクトにあらがう日米欧各社の中古品の二次流通への取り組みを追う。

(出所/Shutterstock.com)
(出所/Shutterstock.com)

 米アマゾン・ドット・コムは世界各地で、巨大な倉庫に膨大な商品を用意し、購入だけでなく返品も容易にすることで、消費者のネットショッピングのハードルを劇的に下げることに成功した。決済情報もセットされているので、マウスの2クリックだけでたいていの商品は購入できる。

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 一方で近年、若者世代を中心に環境への関心がこれまでにないほど高まっている。環境意識の高まりを背景に、商品の再販市場は現在およそ280億ドル(約3兆円)だが、今後5年間で600億ドル(約6兆6000億円)まで拡大するとの試算もある。

【特集】打倒アマゾンの戦い方
【第1回】 アマゾンの猛攻に耐え抜いた、生き残り企業「3つの共通点」
【第2回】 リーバイスとコメ兵の局地戦 中古の循環経済でアマゾンを排除 ←今回はココ

 中古品の再販という二次流通はアマゾンにとって攻めにくい市場だろう。1品1品の状態が異なり、仕入れも安定しない。一方で、独自のノウハウで商品を見定めたり、補修したりすることができれば、収益を上げることができる。

 自動車であればメーカー系のディーラーが中古車を扱うことで消費者の信頼を得られるのと同じ構図だ。さらに一般の消費財であれば、自動車よりも頻繁に売り買いされることが多い。そのエコシステムの中心に入れば、何度も販売利益を得ることができる。もちろん環境に対して積極的に対応しているという点から企業価値を上げることができるだろう。

「多くの服を作りすぎている」

リーバイスが2020年10月に「Levi's SecondHand」を発表した際の資料(出所/リーバイ・ストラウス・アンド・カンパニー)
リーバイスが2020年10月に「Levi's SecondHand」を発表した際の資料(出所/リーバイ・ストラウス・アンド・カンパニー)

 こうした二次流通市場に名乗りを上げたのが、米ジーンズ製造・販売大手のリーバイ・ストラウス・アンド・カンパニーである。2020年10月、中古製品のマーケットプレイス「Levi's SecondHand」を米国で試験的に開始した。

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