
開会直前に一転して大半の会場で無観客開催となった東京オリンピック(五輪)・パラリンピック。公式スポンサー企業にはどんな影響が出たのか。コロナ禍の開催で公式スポンサー活動は軌道修正が必要か、どう変えていけばよいか――。公式スポンサー企業勤務者58人を含むマーケター400人の回答から考察する。
全国20~50代のマーケター400人に、開催直前まで紛糾しているコロナ禍の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックについて緊急アンケートを実施し、その結果を公開、解説する本特集。第1回は五輪公式スポンサー企業のマーケターの4割が「大会イメージ、スポンサー企業イメージの悪化」を不安視していること、第2回では約5割の同マーケターが無観客でも経済効果に期待していることをお伝えした。
第3回は、公式スポンサー企業はコロナ禍の開催でどのような影響を受けたか、また影響を受けた活動内容をどう軌道修正していけばよいか、考察する。
【第2回】 マーケターが選んだ「五輪が無観客になって潤う業界」ランキング
【第3回】 「宣伝しづらくなった」76% スポンサー受難、奔走の五輪に ←今回はココ
まず、コロナ禍の開催になったことで東京五輪・パラリンピックの公式スポンサー企業にどんな影響が出たと思われるか。アンケートに回答したマーケター400人の中には、58人(14.5%)の公式スポンサー企業勤務者を含んだため、五輪公式スポンサー企業と非スポンサー企業のマーケターを分けて集計してみた。
公式スポンサー企業の76%が選んだのが「宣伝・販促がしづらくなった」だった。非スポンサー企業のマーケターも55.3%が選択しているが、それを20ポイント超上回っている。公式スポンサー企業勤務のマーケター回答者は五輪専属の担当者ではない人が大半と思われるが、東京都や組織委員会、JOC(日本オリンピック委員会)の決定に振り回される現場を日々間近に見聞きしたうえでの回答であると推測すると、スポンサー企業の宣伝・販促は相当厳しい状況に置かれていることがうかがえる。
以下、「予定していた企画やイベントの中止、縮小、方向転換を迫られた」を約6割、「売り上げ向上が見込みづらくなったと思う」を約5割の公式スポンサー企業、非スポンサー企業双方のマーケターが選択した。「露出機会が減少した」は、公式スポンサーが47%、非スポンサーが39.8%で、公式スポンサーがより深刻に捉えている。
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