2021年9月に「第二創業」を掲げて中期経営計画を打ち出した、「無印良品」を展開する良品計画。公式アプリ「MUJI passport」の導入など、OMO(Online Merges with Offline)を進化させてきた中、キーワードとして挙げるのが「感じの良いオンライン」だ。若手マーケターがDX(デジタルトランスフォーメーション)の疑問を経営層にぶつける本連載。今回は、良品計画のIT部門を率いる久保田竜弥氏に、無印良品が目指すDXの在り方を聞いた。

今回、若手マーケターの問いに答えるのは、良品計画執行役員ITサービス部担当の久保田竜弥氏
今回、若手マーケターの問いに答えるのは、良品計画執行役員ITサービス部担当の久保田竜弥氏
今回の若手マーケターからの疑問と課題
●無印良品が考える「感じの良いオンライン」という言葉には、どのような意味が込められているのか。

●リアルな店舗を持つリテールビジネスにおいて、オンラインをどこまで追求していくべきか、またオフラインとの関係性は。

●DXを推進するために必要な人材や必要なスキルはどのようなものか。
▼前回はこちら カゴメのDXをキーパーソンに直撃 ファネル分析を全社員に開放

 本連載では、日本アドバタイザーズ協会デジタルマーケティング研究機構の若手マーケターが集まる「U35プロジェクト」のメンバーがインタビュアーとなり、現場から感じるDXへの疑問や課題を注目企業の経営陣に直接ぶつけていく。

 第8回は、「無印良品」を展開する良品計画。2013年に公式アプリ「MUJI passport」を投入した他、ECにも力を注ぎ、OMOを推進。デジタル戦略巧者ともいわれる。さらに、最近ではデジタル領域の強化を目指し、人材の採用・育成にも力を入れる。今回は、デジタル・DX戦略について、良品計画執行役員ITサービス部担当の久保田竜弥氏に、日産自動車の若手マーケター、矢野智子氏が迫った。

【本日の語り手】
久保田竜弥氏
良品計画執行役員ITサービス部担当

1977年5月21日生まれ。日本大学生産工学部卒業。1999年に金融系SIerに入社し、証券や銀行系システムの開発を担当。その後、08年にスタートトゥデイ(現ZOZO)にエンジニアとして入社し、「ZOZOTOWN」の開発に従事。ファッションコーディネートアプリ「WEAR」の立ち上げ、事業責任者を経て、17年7月にZOZOテクノロジーズ(旧スタートトゥデイテクノロジーズ)の社長・CEO(最高経営責任者)に就任。22年4月に良品計画へ入社し、現職

矢野智子(以下、矢野) デジタル領域を歩んでこられ、良品計画でもIT関連のけん引役として入社された久保田さんとしては、DXをどのように捉えているのでしょうか。また、御社でどのような役割を担われているか、お聞かせください。

久保田竜弥(以下、久保田) DXについては取り立てて意識したことがないというのが、正直なところです。デジタルの良い部分はもちろんありますが、決して万能ではないとも思っています。DXとはあくまで手段であって目的ではないので、それを目的にすることはナンセンスです。

 私は、良品計画のIT全般を担当している部署の役員という立場ですが、DXというよりも一部上場企業としての仕組みや体制づくりが任務。良品計画で働く人がスピーディーに物事を進められるようなツールを提供することで、働きやすい職場環境を整えるのが、私の役割だと考えています。

矢野 御社では、中期経営計画の実行項目である「感じの良いオンライン」をつくり上げるために、デジタル上のコミュニケーションも工夫をしているとお聞きしています。久保田さんが認識している「感じの良いオンライン」とは、一体どういったものなのでしょうか。

▼関連記事 無印良品が「第二創業」で掲げる新戦略 堂前新社長インタビュー

久保田 良品計画は以前から、人間らしい営み、お客様との人間らしい関係性を重視してきました。DXを進めていくといっても、オンラインだけの話ではなく、オフラインを大切にする点は変わりません。デジタルは、そこをじゃませず、はしゃぎ過ぎず取り入れていきたい。

矢野 「はしゃぎ過ぎない」というのは、「やり過ぎない」ということですか?

このコンテンツ・機能は有料会員限定です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
12
この記事をいいね!する