製造業からUX創造企業へ――。2018年から本格的にDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、変革を加速させる花王。事業の効率化・能率化だけでなく、サービス・商品づくりや消費者とのつながり方にまでDXでメスを入れる。なぜ花王はここまで必死になるのか、DX戦略のキーパーソンで、花王の常務執行役員兼カネボウ化粧品社長の村上由泰氏に若手マーケターが直撃した。

若手マーケターがDXに関する疑問をぶつける連載。今回、答えるのは花王の常務執行役員であり、カネボウ化粧品の社長も務める村上由泰氏
若手マーケターがDXに関する疑問をぶつける連載。今回、答えるのは花王の常務執行役員であり、カネボウ化粧品の社長も務める村上由泰氏
今回の若手マーケターからの疑問と課題
●効率化、業務改善のDXは各業界で先行しているが、新サービス・新商品の開発にDXはどう生かせるのか。

●DXではデータ活用もカギになるが、データをうまく活用するために何が必要か。

●DX推進部門の役割は。また、どのようにして社内へDXの意義を伝え、変革を加速させていったのか。
▼前回はこちら 味の素CDOが断行したDXの“荒業” 数値経営、縦割り組織を壊す

 本連載では、日本アドバタイザーズ協会デジタルマーケティング研究機構の若手マーケターが集まる「U35プロジェクト」のメンバーがインタビュアーとなり、現場から感じるDXへの疑問や課題を注目企業の経営陣に直接ぶつけていく。

 第6回は、2018年に「先端技術戦略室」を立ち上げたのを皮切りに、全社を挙げてDXに取り組む花王。21年に策定した25年までの中期経営計画で、さらにDX推進を加速させる方針を打ち出した。そのDX戦略のキーパーソンで、花王の常務執行役員兼カネボウ化粧品社長の村上由泰氏に、カゴメの若手マーケター、細川和紀氏が迫った。

【本日の語り手】
村上由泰氏
花王 常務執行役員 化粧品事業部門長/DX戦略推進センター長
カネボウ化粧品 代表取締役社長

1963年8月生まれ。86年立教大学経済学部卒業後、花王入社。2011年花王マレーシア社長兼CEO(最高経営責任者)、14年花王スキンケア事業グループ長。18年1月から花王執行役員、カネボウ化粧品代表取締役社長執行役員に就任。20年に花王の常務執行役員、21年1月から現職

ものづくり企業からUX創造企業への転換目指す

細川和紀(以下、細川) 昨今、様々な産業でDXやデジタル化を推進する動きがあります。まず、「DX」や「デジタル」をどのように捉えておられるか、教えてください。

村上由泰(以下、村上) DXとは、デジタルを手段としたトランスフォーメーション。デジタル技術を活用して、姿が変わってしまうほどの変革や変態を成し遂げることだと認識しています。言うまでもなく、DXはあくまで手段です。

 では、私が担当している事業DXの目的は何かといえば、ブランドとお客様との絆を深めていくことで、強いブランドをつくることです。そのために力を入れているのが、UX(顧客体験)づくりということになります。

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