「まずは笑顔で対話」。DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる中、アナログの交流の重要性を語るのが、スノーピークでDX推進を担う村瀬亮氏だ。若手マーケターがDX時代の企業戦略やマーケティング、組織、人材を注目企業の経営層に直撃する新連載の第2回は、DXがなぜ停滞するのかを村瀬氏に聞いた。

若手マーケターの問いに答えるのは、スノーピークビジネスソリューションズ代表取締役兼スノーピーク専務取締役の村瀬亮氏
若手マーケターの問いに答えるのは、スノーピークビジネスソリューションズ代表取締役兼スノーピーク専務取締役の村瀬亮氏
今回の若手マーケターからの疑問と課題
●デジタル化、DXがゴールのように考えられがちで、本当のゴールが何か議論があまりされていないのではないか。

●システムに詳しい人を中心にDX部門をつくったものの、あまり機能していないという声を聞く。それを回避するにはどうすればいいのか。

●効率を重視したデジタル化、DX推進によって、何か弊害はないか。

前回(第1回)はこちら

 DXがバズワード化する中、社内浸透に課題を感じたり、成果が見えずに壁にぶつかったりしている企業は少なくない。なぜDXは思ったほど進まないのか――。本連載では、DX時代にあるべき組織や人について、日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構の若手マーケターが集まる「U35プロジェクト」のメンバーがインタビュアーとなり、現場から感じるDXへの疑問や課題を注目企業の経営陣に直接ぶつけていく。

 第1回のローソン社長の竹増貞信氏に続き、第2回はスノーピークビジネスソリューションズの代表で、スノーピーク専務も務める村瀬亮氏。スノーピーク本社のデジタル化、DX推進に加え、他社のDX支援も行う村瀬氏に、バルクオムのマーケター、高橋文人氏が迫る。

【本日の語り手】
村瀬 亮氏
スノーピークビジネスソリューションズ代表取締役 兼 スノーピーク専務取締役

1963年、愛知県岡崎市生まれ。愛知大学卒業後、キーエンスなどを経て、企業活性化を支援するシステム会社を設立。2016年、スノーピークと共同出資で設立したスノーピークビジネスソリューションズの代表取締役に就任。企業の人材問題を解決するためのサービスを提供する。21年には、スノーピーク専務取締役にも就任

DX、デジタル化は3ステップで考える

高橋文人氏(以下、高橋) 私の会社では、BULK HOMME(バルクオム)というメンズスキンケアブランドを扱っています。デジタルが浸透しており、社内でDXという言葉を改めて用いることがない環境にいます。DXといっても企業によってその進捗具合はさまざまですが、今後は企業が存続するためにデジタル化は不可避だと考えます。親会社であるスノーピークだけでなく、多くの企業のDXサポートを行ってこられた村瀬さんはDXの現状について、どのように捉えていますか。

村瀬 亮氏(以下、村瀬) 今後は、DXがますます進化するとともに、選択するものではなく必須項目、いわばインフラのようになっていくと考えています。

 私は、デジタル化には3つのステップがあり、その中でDXはその最終形に位置付けられると考えています。第1ステップは、デジタル化やIT導入といわれる段階。今までアナログで作業していたことをデジタル化することです。第2ステップは、例えば、クラウドを使って皆で情報の共有をするように、デジタルによってプロセスを変えること。そして最後の第3ステップは、デジタルによって事業そのものが全く違うモデルにつくり替えられることです。

 スノーピーク全社でDXの最終形にまで達しているかといえば、まだ途上だと思います。アナログでの作業が残る一方で、早い段階でSNSを通じてお客様へのアプローチを行っており、第1ステップから第2ステップへチャレンジしている段階といったところでしょうか。現在は、全社を横断して情報を共有し、デジタルが得意な分野はデジタルに任せることで、結果的に余裕ができた時間で人間がクリエーティブなことを考えられるような施策を進めています。

高橋 各社がさまざまなDXの目的を持っていると考えられます。人間がクリエーティブな活動により注力できるようにデジタルを活用するという話もありましたが、村瀬さんが考えるDXの最終的な目的とは。

【本日の聞き手】
高橋文人氏
バルクオム Domestic SBU/Division Director

新卒で美容家電メーカーへ入社。EC事業の立ち上げやウェブマーケティング全般の業務に従事。2017年8月にバルクオム入社。ウェブマーケティング責任者などを経て、20年より現職。国内事業を統括。D2Cからマスブランドへの転換期におけるオフラインの販路拡大に向けたマーケティング戦略をけん引する
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