新型コロナウイルス感染拡大によるステイホームや、働き方の多様化などで巣ごもり需要が伸長したことを受け、業績好調のバンダイナムコグループ。ガンプラ(機動戦士ガンダムシリーズのプラモデル)をはじめとするガンダム関連の売上高は、2022年3月期に1017億円を記録した。

 2022年7月から「ガンダムR(リサイクル)作戦2022」がスタートした。「ガンダムR作戦」とは、参加費無料で、ガンプラ作りを体験しながらバンダイナムコグループのエコな取り組みに触れられるもの。21年4月に始動した、グループを横断する「ガンプラリサイクルプロジェクト」のイベントで、会場にランナー(プラモデルの枠)の回収ボックスを設置。21年11月、東京・新宿住友ビル三角広場で「ガンダムR作戦 FINAL 2021」を催し、それまでに集めたランナーで実物大の「1/1ガンダムヘッド」を作成、展示し話題を集めた。

 第2弾となる「ガンダムR作戦2022」で配布する体験キットのエコプラは回収したランナーからリサイクルして作っており、より循環を体感しやすくなった。

 同イベントの中心的役割を果たすのが、18年にバンダイから分社化し、ハイターゲット向けのトイホビー商品を提供するBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ、東京・港)だ。これらの動きは、近年のSDGs(持続可能な開発目標)機運の高まりを受けたものかと思いきや、もっと根源的な理由からだという。同社ホビーディビジョン・グローバルビジネス部兼クリエイション部デピュティゼネラルマネージャーの松橋幸男氏に話を聞いた。

 「始まりは、何年も前からいわれているプラモデルの原料、石油の枯渇問題です。数年前から本格的に社内で議論が始まり、各素材メーカーさんといろいろ話す中で、リサイクルをしてみようと。そこから、ガンプラだからこそファンの皆さんと一緒にできることはないかと考え、『みんなでつくる ガンプラの未来』をミッションに掲げたガンプラリサイクルプロジェクトを立ち上げました」

BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン・グローバルビジネス部兼クリエイション部デピュティゼネラルマネージャーの松橋幸男氏
BANDAI SPIRITS ホビーディビジョン・グローバルビジネス部兼クリエイション部デピュティゼネラルマネージャーの松橋幸男氏

 「ガンダムR作戦」は主に、ファミリー層が週末に訪れやすいショッピングモールなどで開催。21年は全国各地で70回以上、22年は160回以上を予定している。同イベントを通し、さまざまな気づきを得られたという。

 「開催前は、わざわざ回収ボックスまでランナーをお持ちいただけるか不安でしたが、蓋を開けてみると、参加者の皆さんがとても好意的で驚きました。日ごろからガンプラを作っている方から、『廃棄することに罪悪感を持っていたから、回収してもらえてよかった』という声もいただきました。

 また、親子で参加してもらうと、お子さんたちはガンダムを知っているけどガンプラを作ったことがない。一方で、親世代は昔ガンプラを作ったことがある人が多いので、親の威厳も示せたようです(笑)」(松橋氏、以下同)

 ガンプラリサイクルプロジェクト(以下、本プロジェクト)のリサイクル方法は3つ。1つは化学的処理を施し、新たなガンプラを作る「ケミカルリサイクル」。2つめは粉砕してエコなガンプラ=エコプラにする「マテリアルリサイクル」。3つめが回収したランナーを熱循環させて電力に代える「サーマルリサイクル」だ。

エコプラ HGガンダム
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