SDGs(持続可能な開発目標)への対応が待ったなしとなる中、商品やサービスへの開発現場でもさまざまな取り組みが行われている。サステナブルなモノやサービスを生み出す上で、意識すべきは何なのか、現場は何につまずいているのか、そして成功のポイントとは──。「SDGs商品開発の舞台裏」では、各社の試行錯誤を取材する。第1回はエコな新素材「LIMEX(ライメックス)」を世界で初めてボールペンの軸材に使った三菱鉛筆の「ユニライメックス」(税込み220円)の取り組みだ。

新素材「ライメックス」を世界で初めてボールペンの軸材に使った三菱鉛筆の「ユニライメックス」
新素材「ライメックス」を世界で初めてボールペンの軸材に使った三菱鉛筆の「ユニライメックス」

 大和証券に8万5000本、第四北越銀行に10万本──。ノベルティーとして環境意識が高い企業からの注文も多いという「ユニライメックス」は2019年9月の発売。21年3月からは、京都府福知山市がSDGsの取り組みの一環として窓口用のボールペンに採用するなど徐々に利用も広がっている。

 LIMEXは、TBM(東京・中央)が独自開発し、14年に国内特許を取得した新素材。プラスチックや紙の代替素材として注目されている。主な原材料である石灰石は、一般的なプラスチックと比べて焼却時に排出するCO2を約58%減らせるという。商品開発を担当した三菱鉛筆の商品開発部係長の渡辺悠太氏によれば「石灰石は埋蔵量が豊富で、国内で“自給自足”できる数少ない資源の1つ 。プラスチックの原料となる石油と比べて枯渇リスクが低いことに加え、国内で賄えるため輸送時に排出されるCO2などが抑えられるのも魅力」だ。

素材が合うデザインを選ぶのも重要に

 日本筆記具工業会によれば、20年のボールペンの生産数量は、19年比19.2%減の13億8737万5000本。電子機器の普及やコロナ禍のテレワークなどで需要は減少している。ただ、環境に優しい商品づくりは今後も不可欠。三菱鉛筆はこれまでも、エコロジー文具シリーズ「グリーンネット」など、20年以上の長きにわたりエコ商品の製造販売を行っている。しかしユニライメックスの製品化までには乗り越えるべき障壁は少なくなかったようだ。

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