にわかに増え始めた感があるNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)のマーケット。21年7月にNFTプラットフォームを立ち上げたのは、ライフネット生命保険の共同創業者である岩瀬大輔氏。2回目の起業で「アジアから世界に向けて新しい価値を届けることを目指す」という。今なぜNFTなのか、その狙いを聞いた。

NFTプラットフォームの「KLKTN(コレクション)」を7月に開始
NFTプラットフォームの「KLKTN(コレクション)」を7月に開始

――なぜNFT事業を立ち上げたのですか?

 もともとネット生保会社を立ち上げたこともあり、金融とテクノロジーには興味がありました。大学時代はジャズ研究会でずっとピアノを弾いてしましたし、歌舞伎や文楽の劇場に足繫く通う文化系人間でもあります。NFTは「金融」「テクノロジー」「アート」の3つが交差する事業。自分の興味と強みを生かすことができると考えました。

 仮想通貨も昨年あたりから節目がいよいよ変わり、保守本流の機関投資家にとっても無視できない存在になりつつあります。自分でも少しだけ投資をしてみたり、InsureDAOというDeFi(分散型金融事業)のプロジェクトにも関わるようになったり、ひとつのエコシステムができつつあると気がつきました。NFT商品を自分で買ってみて、デジタル資産を「所有」するという独特の感覚に興味を持ち、これは新しい時代が到来すると予感するようになりました。

 かつてインターネットがそうであったように、また大きく世界が変わる流れが起きているのかもしれない。傍観者として批評や値踏みをするのではなく、自分で飛び込んで挑戦してみたい。いつからか、そう思うようになりました。

岩瀬大輔氏は、ライフネット生命の共同創業者。3年前に香港に活動拠点を移し、NFTのプラットフォームを立ち上げた
岩瀬大輔氏は、ライフネット生命の共同創業者。3年前に香港に活動拠点を移し、NFTのプラットフォームを立ち上げた

――香港がベースの会社なのですね。

 3年前に香港に活動拠点を移したので会社は香港で設立しました。(Eコマース事業を手掛ける)BEENOSや、NFTの代表的企業である香港Animoca Brandsなどから約400万米ドル(約4億4000万円)を調達し、新たにNFTプラットフォームを運営する「KLKTN(コレクション)」という会社を創業しました。

 創業パートナーは著名な音楽プロデューサーであるジェフ・ミヤハラと、DapperLabsの創業メンバーとして2018年にNFTの世界で最初に大流行した(ブロックチェーンゲーム )「Crypto Kitties」のリードエンジニアを務めたファビアーノ・ソリアーニ。3人が居住する香港、東京、カナダ・バンクーバーに加えて、英ロンドンにデザインチームを構え、4拠点の国際的なチームで運営しています。アジアの感性で、魅力的なコンテンツを世界に発信していきたいと思っています。

出資したBEENOSグループのBEENOS Entertainment STANS' 事業部 事業責任者/マネージャーの松尾直輝氏。 KLKTNの東京スタッフとしてDirector of Business Development(事業開発部長)を務める
出資したBEENOSグループのBEENOS Entertainment STANS' 事業部 事業責任者/マネージャーの松尾直輝氏。 KLKTNの東京スタッフとしてDirector of Business Development(事業開発部長)を務める

――「KLKTN(コレクション)」では、どんなものが買えるのですか。

 第1弾として7月末に、K-POPアーティストであるケビン・ウーの米国デビューシングルにちなんだNFT商品の扱いを始めました。ミュージックビデオにちなんだデジタルアート作品を3種類と、楽曲制作の舞台裏を捉えたデジタルブロマイド、そして当初はなじみやすいように、オンラインの各種イベントを特典としてつけることにしました。

 第2弾としては9月に発売されたMIYAVIの新アルバムに合わせたNFTのプロジェクトを発表しました。K-POPスターであるカン・ダニエルとのコラボ曲「Hush Hush」に焦点を当てつつ、ケビン同様、MIYAVIさんの魅力が詰まったデジタルアートや、舞台裏を捉えた各種デジタルブロマイドなど、新しい楽曲の魅力をより実感できるようなものをファンの皆様に提供していきたいとの思いで、MIYAVIさんのチームと共同で作っています。

 このほかにも各ジャンルでアイコニックな存在であるアーティストの方々、漫画のコンテンツホルダー、将来が嘱望される現代アーティストの方々ともワクワクするプロジェクトの話を進めています。個別のNFTプロジェクトを通じて、よりスケーラブルなプラットフォームを作っていきたいと考えています。

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