食事に気を遣う人が増え、健康を意識した商品の市場が拡大している。食物繊維が豊富に含まれるシリアルの中で、ブレイクしつつあるのが「オートミール」。20〜30代が市場拡大の原動力になっているという。機能性表示食品の分野では、記憶力の維持をサポートするとうたう商品への注目度が高まりそうだ。

※日経トレンディ2021年7月号の記事を再構成

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 食事で腸内環境を整える「腸活」が健康習慣として定着しつつあり、食物繊維が豊富に含まれるシリアルが支持されている。中でもブレイクしつつあるのが「オートミール」だ。これまでシリアルのメイン利用者層ではなかった20〜30代が、市場拡大の原動力になっている。

 この市場の成長を見込んで、21年4月に日本で商品化した日本ケロッグによると、「オートミールが新規顧客としてつかんだのは30代以下。これまでのシリアルでは購入者全体の34%だったが、今回のオートミールの新商品では44%に増えた。特に20代女性の支持が厚い」と話す。

健康系食品ブレイク予測2021
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【第3回】 「オートミール」が20~30代に激売れ! 温めて米代わりに←今回はココ

 オートミールが他のシリアルと決定的に違うのは、主食代わりになる点。ぱらぱらと乾いたオートミールを水と混ぜて電子レンジで加熱すると、お米のような弾力のある食感に変わる。こうした調理を、オートミール好きは“米化(こめか)”と呼ぶ。

 「これまでのシリアルは温かくして食べられないので、食事をきちんと取りたい人の選択肢には入らなかった。オートミールは温めると主食として食べられる上、食感も変わり、調理アレンジの幅も広がる。食後の満足度が高い点を評価する声が増えている」(日本ケロッグマーケティング部の西村香里氏)

満を持して日本市場に投入 電子レンジで主食に早変わり
ケロッグ オートミール(日本ケロッグ)

 水溶性食物繊維「βグルカン」が含まれるオーツ麦を加熱して、薄く伸ばしている。白米と比べて糖質は約3分の1、エネルギーは約2分の1と控えめだ。このオートミールを使ったレシピが、SNSに相次いで投稿されている。スーパーやドラッグストアで販売中。発売は21年4月。実勢価格378円(税込み)。

 日本ケロッグのホームページには、お好み焼きや雑炊、親子丼、カレー、おにぎりなど、シリアルを使ったとは思えないレシピが並ぶ。試しに記者がオートミールを米化して食べたところ、確かにもちっとした食感に変わっていた。これはよくかむことにつながるので、物足りなさが残りがちな他のシリアルよりも満足できた。

 オートミール市場はここ1年で拡大中で、小売店も売り場を積極的に広げている。冷たい状態で食べる一般的なシリアルは秋冬に売れ行きが鈍るが、オートミールは1年を通して需要を喚起できるので、魅力を感じているのだ。

 その意味では、例えば湯を入れて食べる即席カップタイプは有望で、旭松食品は既に相次いで商品化している。今後も多様な商品の登場が見込まれ、手に取る消費者は多くなるだろう。

湯をかけてすぐに食べられる 深夜残業後にも向く低カロリー食
オートミール きのこクリーム/紀州うめ/まろやかチキン(旭松食品)

 国内初の即席カップタイプ。湯を注いで1分後に粉末スープを入れ、よくかき混ぜたら食べられる。従来のオートミールに対する「調理に手間がかかる」「味付けが難しい」といった消費者の声を受けて商品化された。エネルギーはいずれも100キロカロリー未満。21年3月発売。21年7月に「完熟トマト」「海人の藻塩(あまびとのもしお)」も加わる。 実勢価格188円(税込み)。

オートミルク関連も盛り上がり見せる

 オーツ麦から作られるオートミルク関連市場も伸びが期待される。21年3月にネスレ日本が発売し、同月末に日本コカ・コーラも関東中部エリアで販売を始めている。21年秋以降、オーツ麦由来の食品がさらに発売される見込み。メーカーにオートミルクパウダーを供給するゴードー(東京・中央)は、「菓子やパンに練りこんだ商品が登場するのではないか」と見ている。

ネスカフェ ゴールドブレンド オーツラテ 4本入り(ネスレ日本)
ネスカフェ ゴールドブレンド オーツラテ 4本入り(ネスレ日本)
実勢価格429円(税込み)
GO:GOOD おいしいオーツ麦ミルク なめらかプレーン(日本コカ・コーラ)
GO:GOOD おいしいオーツ麦ミルク なめらかプレーン(日本コカ・コーラ)
実勢価格138円(税込み)
ゴードーのオートミルクパウダー。飲料以外の食品に採用される見込み
ゴードーのオートミルクパウダー。飲料以外の食品に採用される見込み

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