リフレクターブランド「Ref Lite(レフライト)」を例にBtoB(企業向け)ブランド再生術を学ぶ本連載。前回は、「顧客インサイト」をいち早くつかむことで競合が見抜けていない顧客の潜在ニーズを見つけ、価格競争などのレッドオーシャンに陥るのを避けられることを説明した。今回はBtoBブランディングにおいて重要な「競合との差異化」の方法を説明していきたい。

(写真/Shutterstock)
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 BtoBのブランディングでも、唯一無二のブランドを築くことが重要だ。例えば、「CPUといえば『インテル』」のように、「○○といえば」の後に自社ブランドが想起されるのが理想。そのためには、競合を意識しながら自社ブランドのポジショニングを決め、差異を明確にする必要がある。レフライトはどこに位置し、どのような戦略を選んだのだろうか。

 まず、ブランドの位置付けは「コトラーの競争地位戦略」で以下の4つに分けられる。

(1)市場で最大シェアを占めるトップブランドである「リーダーブランド」
(2)2~3番手に属しトップを狙う「チャレンジャーブランド」
(3)大企業が狙わないニッチ領域に集中特化した「ニッチャーブランド」
(4)リーダーブランドに追随していく「フォロワーブランド」

 である。どこに属するかによって、戦略を変える必要がある。

コトラーの競争地位戦略では競争資源の質、量でブランドのポジションを4つに分けている
コトラーの競争地位戦略では競争資源の質、量でブランドのポジションを4つに分けている

 これを基に、レフライトが属するリフレクター市場の競合を整理しよう。圧倒的なリーダーブランドにはスリーエム(3M)が存在する。チャレンジャーブランドにはユニチカや、日本ではあまりなじみがないが独オラフォルという企業が存在する。フォロワーブランドには中国の道明光学(DM)や韓国のHJなどアジア圏の企業が続く。

 肝心のレフライトはというと、3Mにチャレンジすることはおろか、2位のユニチカにすら勝てない存在だ。そもそも企業規模が違い、体力がない。かといって価格を下げると、今度は海外勢との勝負になる。品質面では勝てても、価格面で勝てない。利益率を考えると、値下げには限度がある。

 レフライトは、ニッチャーブランドとして戦うしかないのだ。ニッチャーブランドとは「同じ業界の中で一線を画し、市場は小さいながらも特定の領域に絞り込み、特定の顧客を相手に成功しているブランド」だ。リーダーブランドやチャレンジャーブランドにとっては、市場が小さいうえに手間がかかるために手を出しにくい特定分野で専門性を強化し、フォロワーブランドの追随を許さないことが基本戦略となる。まねできない独自の立ち位置を構築することにより、他が手を出しづらい参入障壁を築くことが重要だ。

 このポジションは、実はレフライトを支援しているMipoxの戦略そのままである。同社は研磨剤の分野で3Mに勝ち続けてきた。3Mが積極的にやりたがらないニッチな領域で強みを発揮しているのがその理由。その勝ち方を知っているからこそ、レフライトをニッチャーブランドへとスイッチさせられたのだ。

2つの軸でブランド価値を明確化

 差異化は言い換えると、競合がまねできないような、自社にしかできないユニークさが顧客に魅力的な価値として認められることだ。レフライトは2つの軸でニッチャーブランドとしての地位を確立していった。

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