お客をつかむ“技ありパッケージ”

コロナ禍による巣ごもり消費や、まとめ買い、買い置きの増加により、パスタやパスタソース市場は大きく伸びている。中でも成長著しいのがレトルトのパスタソースだ。その市場に新規参入したのが創味食品(京都市)。2021年3月1日にレトルトパスタソースの新ブランド「ハコネーゼ」の3商品を発売した。

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創味食品のレトルトパスタソース「ハコネーゼ」は、「海老の旨みたっぷり濃厚トマトクリームソース」「生クリーム仕立ての濃厚ポルチーニソース」「焦がしにんにくの完熟トマトソース」という3つの味で販売
創味食品のレトルトパスタソース「ハコネーゼ」は、「海老の旨みたっぷり濃厚トマトクリームソース」「生クリーム仕立ての濃厚ポルチーニソース」「焦がしにんにくの完熟トマトソース」という3つの味で販売

 パウチをそのまま電子レンジで温めるだけで調理ができるのが「ハコネーゼ」の特徴だ。レトルトカレーではレンジ調理対応の商品も増えているが、パスタソースではまだほとんど例がない。湯せんをしたり、別の皿に移して温めたりする手間がなく、火を使わないので子供やシニアにも安心して調理を任せられる。レンジ調理可能なパウチは包材メーカーが開発した既製品を採用したが、開発されたばかりのもので、まだ採用例はあまりなかったと、創味食品営業本部企画課の小幡友幸氏は言う。今までになかった利便性を武器に市場に打って出た。

 創味食品は、だしとしょうゆをベースとし、そばやうどんをはじめとする和食全般に広く使える「創味のつゆ」や、中華スープの素「創味シャンタンDX」などの商品を持つ。これまで発売した商品は和食と中華料理向けばかりで、ハコネーゼは同社にとって初めての洋食向けの商品になる。

 レトルトパスタソースの市場は、実売価格で1食当たり100円を切る低価格のものから500円を超える高級品まで、膨大な数の商品がしのぎを削る激戦区。同社は2016年に立てた中期経営計画で、「和洋中全ジャンルをカバーする高品質調味料メーカーへ」という目標を掲げており、今回の商品の開発は18年ごろにスタートした。

 「当社の商品開発に対するスタンスは、発売スケジュールをあらかじめ決めず、自分たちが納得できるものができたら発売するというもの。21年の春にようやく成果が実り、ちょうど需要の増加というタイミングと重なった」と小幡氏は説明する。

「箱がないと売れない?」に挑戦

レンジで加熱し内圧が高まると、パウチの密着が剥がれて蒸気口が開き、水蒸気を逃がす
レンジで加熱し内圧が高まると、パウチの密着が剥がれて蒸気口が開き、水蒸気を逃がす

 さらにこの商品は、名前の由来でもある「外箱がないこと」が大きな特徴だ。ハコネーゼの参考小売価格は279円(税込み)。実売価格はもう少し下がるようだが、1人前としてはやや高めだろう。同価格帯の競合商品はおしなべて紙箱に入っている。

 スーパーなどのパスタソース売り場にはパウチがむき出しの商品も並んではいるが、その多くは2人前や3人前入りの、お徳用サイズのスタンディングパウチ商品ばかりだ。「箱がないと高級感がない、見栄えがしない、だから高価格帯の箱なし商品は売れない。それが現実だった」(小幡氏)

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