お客をつかむ“技ありパッケージ”

「スチーミー」は、味の素が2020年3月に発売した合わせ調味料入りのパウチ商品だ。肉を入れてもみ込んで電子レンジで調理すれば、肉を加熱したいわゆる「チャーシュー」が出来上がる。当初は「豚チャーシュー用」を販売していたが計画以上の人気で、一時的に休売することもあったほど。21年2月には「鶏チャーシュー用」も追加した。

「スチーミー」はパウチに入った「合わせ調味料」に分類される。パウチの中に塊肉を入れて電子レンジで加熱すると、「チャーシュー」が簡単に作れる
「スチーミー」はパウチに入った「合わせ調味料」に分類される。パウチの中に塊肉を入れて電子レンジで加熱すると、「チャーシュー」が簡単に作れる

 ターゲットは、「仕事や家事で忙しく過ごすイマドキの生活者」だという。若年層やファミリー層、シニア層など幅広い世代を想定していた。意外だったのは、予想以上にシニア層からの支持が強かったことだ。シニア層は趣味や習い事などで忙しく生活している人が多く、簡便な調理のニーズが想像以上に高かった。元気を出すために肉を食べたいと考える人もいて、「肉がまるごと食べられる」とアピールした点もスチーミーの人気につながった。

前回(第2回)はこちら

 味の素の食品事業本部 調味料事業部 メニュー調味料グループの青貫浩之氏は、「実はスチーミーの一番の売りは、『簡便調理』ではなく『塊肉メニューが作れること』」と話す。パッケージでこだわったのもいかにおいしそうな塊肉メニューが作れるかという点だった。塊肉メニューは見栄えもよく、大人から子供まで人気だったからだ。

【特集】お客をつかむ“技ありパッケージ”
2021年2月に発売した「鶏チャーシュー用」のパッケージ
2021年2月に発売した「鶏チャーシュー用」のパッケージ

自分では作れない料理を簡単に、がポイント

 開発の構想が始まったのは、2016年の末ごろ。「簡単にできる肉メニューが作りたい」と考えたのがきっかけだった。当時はサラダチキンが流行していて「サラダチキンのように気軽に食べられる肉料理があったらよいのでは」と考えたという。生活者を調査すると、塊肉メニューにポテンシャルがあることに気づいた。だが調理に手間がかかるため、実際に食卓に上る頻度が低かった。そこで、塊肉メニューの中でも特に人気のチャーシューを思いついたという。

 「『簡単に作れる肉メニュー』という視点では、人気の豚バラ肉を使ったメニューなども考えていた。しかし、フライパンで簡単に調理できるメニューで、わざわざ『簡単』を強調したところで響かないという予感もあった。『自分では作れない料理を簡単に作れる』というのが重要だった」(青貫氏)

このコンテンツ・機能は会員限定です。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>
10
この記事をいいね!する