
MEO(マップエンジン最適化)対策の基本は、無料の管理ツール「Googleマイビジネス」を利用すること。ネット上で検索すると、MEOツールや委託サービスの案内が大量に出てくる。ツールの利用にはどんなメリットがあるのか。MEO対策サービスを開発・提供するトライハッチ(東京・中野)に聞いた。
トライハッチが開発する「MEOチェキ」はGoogleマイビジネスを管理・分析するためのクラウド型サービス。2018年設立の同社は、MEO支援事業を手掛け、19年8月にMEOチェキを開始した。現在の導入店舗数は約2万。ドラッグストアのココカラファインヘルスケア、飲食店のサンマルクホールディングス、牛丼店「すき家」などを展開するゼンショーホールディングスなど大手も採用している。
「2~3年前は歯科医院、美容室、整体院といったローカルの店舗の顧客がほとんどだった」とトライハッチCOO(最高執行責任者)の藤井智氏は振り返る。飲食などの店舗が、ローカル情報の案内サービス経由で予約を受けると、その分の手数料を支払う必要がある。そのコストを削減する対策として、グーグル検索やGoogleマップ上で店舗情報を表示するための「Googleマイビジネス」によるMEOが広がった。
【第2回】 MEO対策、3つのポイント 無料で数十万円分の広告コストに相当
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ただ、Googleマイビジネス上で多数の店舗を手動で管理するには、手間がかかる。そのため、多くのチェーン店を持つ大手企業は「店舗数の少ない中小企業と比べて導入が遅れがちだったが、ここ最近になってMEOに着手し始めた」(藤井氏)という状況にあるという。
大規模なチェーン店がMEOに目を向け始めた背景には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響がある。緊急事態宣言や、まん延防止等重点措置への対応で、一時的に地域の状況に合わせて、頻繁に営業時間を変える必要があった。正しい営業時間の変更が追いつかなければ、Googleマップ上の営業時間を見て、開いていると思って来店したら閉まっていた、という事態が起きる。その場合、顧客の評価ダウンにつながる可能性もある。
MEOのツールを使えば、「複数の店舗で営業時間を10~17時に変更するが、A店舗は商業施設の中なので10~16時、B店舗は11時~18時、といった変更を一気に反映できる」(藤井氏)というメリットがある。MEOチェキでは、Excelで扱えるCSVファイルをインポートすることで複数店舗の営業時間を更新できる。「多くの店舗ではExcelで店舗の営業時間を管理をしているので、楽に作業できる」(藤井氏)
マップ表示の順位を分析
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