ワーケーションに厚労省がお墨付き 「働く場所の自由化」が加速(画像)

ワーケーションの本質は「働く場所の自由化」。2021年は企業が本格的に導入する分岐点になる――。厚生労働省のガイドラインでワーケーションがテレワークの一形態と定義され、企業は同ガイドラインに沿って対応できるようになった。一方、経験者に対する調査で「隠れワーケーター」が4割もいるといった実態も明らかになってきた。

(画像/Shutterstock)
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 リゾート地のビーチでリクライニングチェアに腰掛け、PCで優雅に仕事――。「ワーケーション」と聞くと、こういうイメージを抱く人も多いのではないだろうか。

 ワーケーションとは、ワーク(仕事)とバケーション(休暇)を組み合わせた言葉。政府が2020年7月の観光戦略実行推進会議で「新たな旅のスタイル」として推進する方針を示し、当時の菅義偉官房長官が言及したことで注目を集めた。リゾートホテルがビジネス環境を整備してワーケーションプランを売り出すなど、観光業界のワーケーションに対する期待は大きい。

 利用者にとっては、休暇先でも仕事ができるようになることで長期間の旅行が可能になったり、普段の職場とは異なる場所で働くことによってリフレッシュできたりといったメリットがある。企業側も休暇の取得促進や多様な働き方を認めることによる離職率低下、企業イメージアップが期待できるなど、誰にとってもいいことずくめのように思える。しかしその言葉の浸透度に比べ、実際にやっている人が周りに少ないという印象はないだろうか。

 クロス・マーケティングと山梨大学の田中敦教授、西久保浩二教授の研究グループが21年3月、全国47都道府県に在住する男女20~64歳の就業者7万6834人に対して調査したところ、直近1年間でテレワークを経験した人が39.6%だったのに対し、実施場所が観光地のホテルや日常生活圏外のコワーキングスペースなどと答えたワーケーション経験者は6.6%。緊急事態宣言による外出自粛や移動制限などの影響も考えられるが、20年に実施した調査でもほぼ同じような結果だったという。

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本質は、働く場所が自由になる「フレックスプレイス」

 企業のワーケーション導入が進んでいない理由として、ワーケーションの定義が広すぎて捉えづらい点がある。個人が休暇先で特定の日をテレワークに充てる「休暇型」だけでなく、会社が設置しているサテライトオフィスやシェアオフィスを利用する「サテライトオフィス型」、職場メンバーと一緒に行く「合宿型」も含まれている。

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