ファミリーマートは2020年11月から日用品を中心に100円均一商品の販売をスタート。手軽に買い物できるが価格が高いというイメージを変えるための施策で、コンビニの日常使いに期待をかける。高品質で安心して使える日用品開発に力を入れ、主婦層など新規顧客の需要を取り込むことに成功した。

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ファミリーマートで扱う「日用品 100 円(税込 110 円)均一シリーズ」のコーナー。その名の通り、日用品を中心とした商品展開となっている
ファミリーマートで扱う「日用品 100 円(税込 110 円)均一シリーズ」のコーナー。その名の通り、日用品を中心とした商品展開となっている
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 食品ラップからアルミホイル、キッチンスポンジ、ジッパーバッグまで、すべてが100円(税込み110円)。ダイソーやセリアといった100円ショップの話ではない。街中にあるコンビニにも実は“100均”の波が及び始めているのだ。

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【第3回】 ファミマ“100均進出”の裏側 「コンビニ=高い」覆す切り札に ←今回はココ

 ファミリーマートは20年11月から、PB(プライベートブランド)「ファミリーマートコレクション」でキッチン用品を中心とした日用品6種類を100円均一(税込み110円)で販売し始めた。その名も「日用品100円(税込110円)均一シリーズ」。反応は上々で、同カテゴリーの売れ行きは前年比160%に伸長している。21年5月末時点で全23商品の展開だ。

 驚異的なのは取り扱う店舗数だ。ファミリーマートでは、100円均一の日用品を全国の約1万6600店舗で販売するとしている。大創産業(広島県東広島市)やセリア、ワッツ、キャンドゥといった100円ショップの上位4社を合わせた店舗数は約7900。その倍以上もあるファミリーマートで100円均一の日用品が買えるようになるのは、大きなアドバンテージと言える。

 ファミリーマートが100円均一での展開を決めたのには、コンビニ業界特有の理由がある。同社の商品・マーケティング本部 日用品・ヘルスケアグループの梶山幸一氏はこう説明する。「コンビニは緊急需要のイメージが強く、置いてある商品も高いという印象を消費者に持たれがち。そうした心理を払拭して、コンビニも日常使いしてほしい」

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