ヒットするネーミング

大学発ベンチャーの感性AI(東京都調布市)は2021年6月1日、言葉と人間の感性の結びつきをAI(人工知能)を活用して数値化し、客観的に評価、提案することで、ネーミングなどを支援するマーケティングソリューション「感性AIアナリティクス」「感性AIブレスト」の提供を開始した。

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 同社は京王電鉄と電気通信大学の坂本真樹教授が共同出資して、18年に設立された。坂本氏が長年研究し、培ってきた、言葉と感性の関係性に着目した特許技術などとAI技術を融合し、新たなソリューションを開発することが設立の目的だ。同社の取締役COOに就任した坂本氏は、「この2つのソリューションは『明るい』『楽しい』をはじめ、感性を表す形容詞を100以上網羅している。多様な尺度で感性価値を客観的に数値化でき、商品が持つ印象を可視化したり、商品に与えたい印象にふさわしいネーミングなどを素早く提案したりできることが強み」と語る。

与えたい印象を考慮しネーミング

 感性AIアナリティクスは、商品のネーミングのほかにキャッチコピー、パッケージカラーが消費者にどのような印象を与えるかを瞬時に、定量的に評価し、商品の感性価値を分析する。分析結果をポジショニングマップで可視化する機能もあり、自社商品と競合商品との印象の違いを一目で把握できる。

感性AIアナリティクスのイメージ。ネーミングやキャッチコピー、パッケージを入力すると、AIが印象を定量的に評価する。また、ネーミングやキャッチコピーから連想されるワードの確認ができるほか、印象分析結果をポジショニングマップで可視化できる
感性AIアナリティクスのイメージ。ネーミングやキャッチコピー、パッケージを入力すると、AIが印象を定量的に評価する。また、ネーミングやキャッチコピーから連想されるワードの確認ができるほか、印象分析結果をポジショニングマップで可視化できる

 すでにネーミングの候補があるときや、既存商品の印象を調査したいときなどの活用が見込まれる。調査会社にマーケティング調査を依頼すると高額な費用がかかるうえ、リポートが届くまでかなりの日数がかかるが、感性AIアナリティクスでは結果をすぐに可視化できる。

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