亀田製菓の「83g 無限エビ」が売れている。発売1週間で出荷100万袋を記録。これは、同社の近年の新ブランド商品では最速だ。オリジナルソングで「エビエビエビエビ、無限エビ」と連呼するなど、コミュニケーションは徹底的に「エビ」推し。短く無駄のない、記憶に残るネーミングが、数々のロングセラー商品を擁する亀田製菓の強さだ。

亀田製菓の「83g 無限エビ」。メタリックな赤をベースに、白抜きで大きく「無限エビ」をレイアウト。パッケージデザインは、社内のデザインチームが手掛けた
亀田製菓の「83g 無限エビ」。メタリックな赤をベースに、白抜きで大きく「無限エビ」をレイアウト。パッケージデザインは、社内のデザインチームが手掛けた

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 亀田製菓が2021年2月に発売した「83g 無限エビ(以下、無限エビ)」の当初の出荷計画は1週間で84万袋だった。100万袋はこの1.2倍。近年にない好調なスタートダッシュだ。亀田製菓は春夏、秋冬の年2回、新商品を売り出す。無限エビは21年春夏に発売した3商品のうちの1つで、特に人気となっている。

 無限エビはサクサクとした軽い食感と、エビを殻ごと練り込んだ香ばしさや濃厚なうまみが特徴だ。亀田製菓が得意とする米菓の中でも、揚げ米菓に分類される。

 揚げ米菓は、ポテトチップスなどを好むスナック菓子ユーザーにも人気があるジャンルだ。同じ米菓でも、例えばしょうゆ味の堅焼きせんべいのような米菓は、スナック菓子ユーザーはそれほど好まない。揚げ米菓は、米菓ユーザーとスナック菓子ユーザーの両方の購買を期待できるという強みがある。

300案の中から選び抜いた商品名

 無限エビというネーミングは、「無限に食べちゃうおいしさ」と「エビ揚げせん」を組み合わせたもの。ブランド担当者が300案ほど書き出した中から、最も価値が伝わりやすく、ピンときて覚えやすく、インパクトがある商品名として選んだという。

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