
富士通はDX(デジタルトランスフォーメーション)時代の企業改革の手法として、デザイン思考を全面的に採用した。推進役となるのが社内デザイナーで、デザイン思考を社内に浸透させるためにデザイン組織も見直している。DXは単なるデジタル化ではないと捉え、グループ全社員13万人の意識改革を狙った。
DX時代の生き残りをかけ、富士通はデザイン思考を活用した「全社DXプロジェクト(Fujitsu Transformation:フジトラ)」を2020年10月から本格的に開始した。デザイン担当の子会社だった富士通デザインには、20年7月に統合したことを機に社内のデザインセンターとしての新たな役割を与えた。
【特集】富士通が挑む13万人のDX経営
それが国内外のグループ企業を含めた13万人の全社員にデザイン思考を浸透させることだった。今までの考え方や業務のやり方を見直し、企業文化も変えようとしている。プロジェクトの終了期間は決めてはいないが、23年4月までには成果を出す方針だ。
中核はデザイン思考を熟知したデザイナー
富士通にとってのDXは、単に社内のデジタル化を強化することではない。先行きが不透明な時代に合わせ、新しい企業に生まれ変わるようにすることが狙い。そのための手法としてデザイン思考を選択した。
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