動画投稿共有サービス「YouTube」を筆頭に、動画プラットフォームが消費者に浸透する中、企業にとっても動画のマーケティング活用の重要性が増している。minne byGMOペパボの和田まお氏と、ドーム(東京・江東)でスポーツ用品ブランド「アンダーアーマー」のランニング・マーケター松元竜太郎氏に、YouTubeなどを活用するうえで心掛けているポイントについて、noteプロデューサーの徳力基彦が聞いた。

noteプロデューサーの徳力基彦氏(左)、ドーム アンダーアーマー ランニング・マーケター 松元竜太郎氏(中央)、GMOペパボ minne事業部 和田まお氏(右)
noteプロデューサーの徳力基彦氏(左)、ドーム アンダーアーマー ランニング・マーケター 松元竜太郎氏(中央)、GMOペパボ minne事業部 和田まお氏(右)

徳力基彦(以下、徳力) まず、簡単に各社の取り組みをご紹介いただけますか。

和田まお氏(以下、和田) GMOペパボで、ものづくりの総合プラットフォーム「minne byGMOペパボ」を運営しています。ハンドメイドの作家・ブランドさんや材料をつくっているメーカーやクリエイターが出店して、作品を販売しています。80万を超える作家やブランドに出店いただいていますが、私は「作家活動アドバイザー」として出店者の運営支援をしています。

 具体的には、活動のノウハウを学べる情報サイト「minne LAB」を通じて、ハンドメイド作家・ブランド向けの情報を発信しています。情報発信にはYouTubeにminneの公式チャンネル「minne LAB」を設けて動画を掲載し、その収録の様子を「Instagram」でライブ配信しています。また、noteにはYouTube投稿のお知らせや今後の配信予定、作家・ブランドさんが勉強するためのコンテンツなどを掲載しています。

和田 まお 氏
GMOペパボ minne byGMOペパボ
2004年11月GMOペパボに入社。ネットショップ開業・作成サービス「カラーミーショップ」のデザイナーや運営責任者としてサービス立ち上げ時から約5年にわたり担当。15年5月から「minne LAB 世田谷(旧:minneのアトリエ 世田谷)」で作家活動アドバイザーに従事し、これまで4000人を超える作家・ブランドと交流している。19年4月には書籍『ハンドメイド作家のための教科書!! minneが教える売れるきほん帖(インプレス)』を発刊。重版7刷
YouTubeにminneの公式チャンネル「minne LAB」を設けて動画を掲載する
YouTubeにminneの公式チャンネル「minne LAB」を設けて動画を掲載する

松元竜太郎氏(以下、松元) アンダーアーマーは米国に本社を置くスポーツ用品メーカーです。もともと紙の広報誌を発行したり、テレビCMをつくり込んだりしていましたが、近年デジタル化していく中で、YouTubeやnoteを組み合わせるなど、さまざまなメディアを使って情報を発信しています。動画は商品を紹介するものもありますが、ブランドの姿勢や価値観を伝えるような動画制作にも力を入れています。

松元 竜太郎 氏
ドーム アンダーアーマー ランニング・マーケター
1982年生まれ。慶応大学卒。富士通を経て、2009年に共同通信社に入社。アメリカンフットボール専門誌を復刊するなど、スポーツメディアの立ち上げ、運営に携わる。17年からドーム(アンダーアーマー)のインハウスエディター、コピーライターとして、オウンドメディアのコンテンツ・コピー制作に従事。現在はランニングカテゴリーのブランドマーケティングを担当

徳力 アンダーアーマーの動画はかっこいいブランドムービーが多く、多いものだと再生数が100万回に達しています。スポーツ用品はテレビCMのイメージが強いですが、デジタル化を進めている過程で、YouTubeやnoteなど、さまざまなツールを試されているんですね。

 早速、具体的な活用法についてうかがっていきたいのですが、minne LABのYouTubeチャンネルはどのようなテーマを重視していますか。

noteプロデューサー 徳力基彦
noteプロデューサー 徳力基彦

和田 テーマは複数ありますが、メインは作家・ブランドさんからいただいた質問を深掘りして1本の動画にしています。

minneを利用する作家・ブランドの質問を深掘りする動画をメインコンテンツとして配信する
minneを利用する作家・ブランドの質問を深掘りする動画をメインコンテンツとして配信する

 私はこれまで何千人もの作家・ブランドさんとお会いし、たくさんの悩み相談を受けてきました。そこで、似たような悩みであっても、答えは一人ひとり違うんだということを体験しました。

 自分の悩みは他の人も抱えているものの、その答えはみんなと一緒ではないということを作家・ブランドさんに知っていただくことで、自分が次にどうすればいいのかという気付きになると考えました。そこで始めたのが「ハンドメイド作家さんのお悩み相談」というシリーズです。noteにもアーカイブとして、質問の内容と動画のリンクを載せています。

 ただ、これはお題の選定と原稿書きに結構な労力がかかります。準備が追いつかなくなる中で、苦肉の策として始めたのが、リアルタイムでコメント欄に届いた質問に延々と回答し続けるYouTubeライブの「質問大会」です。こちらは月1で配信しています。

徳力 YouTubeで動画を見てもらおうと思うと、ちゃんと編集したものをアップしないといけないと思いがちですが、クオリティーにこだわると続けることが難しくなりますよね。アンダーアーマーは、クオリティーに対するこだわりが強そうですが、いかがですか。

松元 3年前にnoteを始めましたが、当時はnoteに動画を掲載しているケースがほとんどありませんでした。ですが、noteにYouTubeの動画を掲載するとサムネイル画像がきれいに表示されるので、実験的に「女性社員が語る、本当に買ってよかったアンダーアーマー商品」という記事の中で動画を上げてみました。思ったよりも見ていただけましたね。

「女性社員が語る、本当に買ってよかったアンダーアーマー商品」というnoteの記事の中で、動画も併せて紹介した
「女性社員が語る、本当に買ってよかったアンダーアーマー商品」というnoteの記事の中で、動画も併せて紹介した

 この動画では、社員が顔を出して、実際にアンダーアーマーの商品を身に着けています。当社は自主的にソーシャルメディアを使っている社員が多いのですが、気に入って投稿しているような商品は、実際に販売に結び付いている印象があります。

和田 minneの場合も、スタッフが作品を身に着けていると、喜んで動画を多く見てくださるという傾向があります。

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