がん保険を選ぶポイントは、もはや「入院時にいくらもらえるか」ではない。入院せずに治療を長期にわたって行うなど、実際に多い治療ケースに即した保障が得られるかどうかを見るべきだ。また、自由診療の部分をどのくらいカバーできるかという点もチェックしておきたい。そうした重視すべきポイントに優れた商品を、がん保険ジャンルの大賞、優秀賞に選んだ。

※日経トレンディ2021年5月号の記事を再構成

写真/metamorworks-stock.adobe.com
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 がんが不治の病だったのは遠い昔の話。近年は治療や検査方法の進歩によって、長く生きられるケースが増えており、全がん平均の5年相対生存率は6割を超えている。従って、がん保険に入るときは、治療が数年に及んだときに生活への負担を最小限にできるかも考えるべきだ。

日経トレンディ発 保険大賞2021
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 最近は手術後、数カ月にわたって抗がん剤などを処方される治療も多い。このときに体調悪化などで仕事が十分にできず、生活費が不足する恐れがある。こうした状況に、入院、手術対応だけの医療保険や、一昔前のがん保険は対応できない。以前のがん保険は「がんによる入院時は日数無制限に給付」「1回だけ診断一時金を給付」を特徴とした商品が多いからだ。

 では、どのくらい備えればいいのか。がんの治療は、ほとんどが保険診療なので、高額療養費制度を使えば通常は1カ月当たり9万円以下に収まる(年収370万~770万円の場合)。治療が1年続いた場合でも約100万円あれば医療費は賄える。

 治療長期化に向けたがん保険の選び方には2つの考え方がある。1つは、数十万~100万円程度の一時金が複数回もらえるタイプの保険だ。治療が翌年に及んだときにも一時金が出れば、治療や生活費補填に使えるからだ。もう1つは、抗がん剤処方や放射線治療があった月に5万~10万円程度の治療給付が受けられるタイプだ。

がんの治療が数年に及ぶケースが増えている。治療給付金が出るタイプの保険なら、長引いても少しずつ保険金が出る。診断一時金が主なら繰り返し出るかが重要だ
がんの治療が数年に及ぶケースが増えている。治療給付金が出るタイプの保険なら、長引いても少しずつ保険金が出る。診断一時金が主なら繰り返し出るかが重要だ

 保険各社のがん保険でそれぞれの給付方式に特化した保険料試算を行うと、後者の治療給付重視型の保険料が総じて安かった。運良く手術だけで済んだときのように、治療期間が短いときは保険金給付が少ない分、保険料を抑えられているのだ。必要な分だけ保険をかけるという観点では、治療給付型をまずは考えたい。

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