医療保険は入院時に保険金が手厚く出るかどうかに注目しがちだが、短期入院なら貯蓄でカバーできる人も多いだろう。本当に見るべきポイントは、治療が長引きやすい3大疾病に備える一時金特約。同じ3大疾病といっても、カバー範囲が保険によって異なるのだ。その観点から有力候補に挙げられるのが、はなさく生命保険「はなさく医療」やネオファースト生命保険「ネオdeいりょう」だ。
※日経トレンディ2021年5月号の記事を再構成
生命保険文化センターの調査によれば、民間の生命保険に加入する全世帯のうち、88.5%もの加入率を誇るのが医療保険だ。ニーズが高いため、保障内容の見劣りをなくす各社の争いは年々激化。毎年のように新商品の登場や改定が相次いでいる。しかし、必ずしもすべての保障が自分に必要とは限らない。置かれた状況や、どんなリスクに備えたいかによって、選ぶ基準は変わってくる。
【第2回】 医療保険のオススメは? 選ぶポイントは3大疾病の「カバー範囲」←今回はココ
「保険が本来向いているのは、発生確率が低くて損失額が大きなリスク。そのため、医療保険でまず検討すべきなのは、長期の入院だ」とファイナンシャルプランナーの平野雅章氏は言う。というのは、短期の入院なら、通常は少しの蓄えがあれば乗り切れるからだ。医療費は健康保険の「高額療養費制度」を利用すれば、年収770万円以下の場合、1カ月9万円程度に収まる。
しかし、重い病気などで入院が数カ月に及ぶと、予想外に費用がかさむことがある。この長期入院のリスクを重視して、「給付日数が120日以上の保険に加入することをまずは検討したい。入院が長期化しがちな3大疾病などで入院日数が無制限になる特約も付けておくとなお心強い」(平野氏)だろう。「入院日数60日まで」よりも保険料は高くなるが、大きな差ではない。
3大疾病特約は出やすさが重要
治療が長引くリスクの高い3大疾病を特に重視して、その治療費などに使える一時金が給付される特約に着目し、保険を選ぶ手もある。退院後に治療を続ける可能性が高く、その間の収入減も予想されるからだ。この種の特約では、がん以外の循環器病(心疾患、脳血管疾患)の取り扱いに違いがある。旧来の医療保険は、循環器病のうち急性心筋梗塞と脳卒中にしか対応していないことが多い。しかし、最近ではそれ以外の心疾患(狭心症など)や脳血管疾患(脳動脈瘤など)も広く保障する保険が増えている。3大疾病を保障する特約を付加するなら、保障内容が広いものを選んでおいた方が安心だ。
3大疾病で一時金が出る特約では、対象疾患の種類に加え、給付条件がカギとなる。2018年に発売された三井住友海上あいおい生命保険の「&LIFE 新医療保険Aプレミア」は、早くから循環器病を広くカバーした先駆者だ。1年に1回を限度に給付回数は無制限で、入院した時点で給付金が出るなど、出やすい条件。最近はこの商品をモデルケースにしたと言わんばかりの商品開発や改定が他社でも進み、給付回数の限度を2年に1回から1年に1回に引き上げる保険が増えている。
そこで今回は、長期入院対応時の保険料と、3大疾病のリスクを重視した際の保障の幅広さ、そして保険料とのバランスを見て医療保険を評価した。
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