施設ジャンルは、高い人気を誇るキャラクターの世界観に深く入り込めるエンタメ施設の注目度が高い。横浜に2020年末にオープンした「ガンダム ファクトリー ヨコハマ」には、高さ18メートルの実物大ガンダムを再現。コアなファンのみならず、一般客層の心もつかんだ。下半期は、21年5月に埼玉県所沢市でリニューアルオープンした「西武園ゆうえんち」がブレイクしそうだ。

※日経トレンディ2021年6月号の記事を再構成

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 2021年上半期の施設業界は新型コロナウイルス感染症の影響に苦しみ、入場者数の制限や営業時間の短縮を余儀なくされた所が続出した。

 一方で、適切な感染症対策を取りつつ、果敢にオープンした施設も多い。新規性という点では、例年以上に目を見張る施設が増えたとも言える。特に目立ったのが、高い人気を誇るキャラクターの世界観に深く入り込める2つの施設だ。

 関東では、2020年12月、横浜・山下ふ頭に「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA(ガンダム ファクトリー ヨコハマ)」がオープン。ガンダムを高さ18メートルの“実物大”で再現している。実物大ガンダムは東京・お台場のものがよく知られているものの、立像だ。一方、こちら横浜のガンダムは手足などが動き、実際に歩き出すかのような迫力がある。

 ガンダムを格納するドックから「ガンダムの頭部や腹部を横から間近に眺められる」という、3300円(税込み、7歳以上)の特別観覧チケットも目新しかった。入場チケット1650円(同、13歳以上)も加えると出費は5000円に迫るが、時間帯指定のチケットは大人気。春休みや週末になると完売する時間枠も出るほどだった。開業当初は生粋のガンダムファンが押し寄せたが、ファミリーや孫を連れた祖父母の姿も目立つようになった。

【上半期ヒット】大迫力、動くガンダムの頭部が眼前に
GUNDAM FACTORY YOKOHAMA

 特別観覧スペースに上がって、実物大ガンダムのボディーの迫力を間近で楽しめる。この異次元のスケールで、コアなファンに加えて、一般客層の心もつかんだ。この「動くガンダム」の仕組みを紹介する展示施設も併設され、オリジナル商品も販売している。施設は22年3月末までの期間限定。

(c)創通・サンライズ
(c)創通・サンライズ

 関西では、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が21年3月にオープンした「スーパー・ニンテンドー・ワールド」にも、世間の熱い視線が注がれた。ハテナブロックをたたく、カートレースを楽しむ……。ディスプレー越しに操作して遊んでいたマリオに、入場者自身がなりきれる。マリオの世界観にリアルに入り込めるという新鮮さから、早朝のUSJのエントランスは、この整理券目当てと思しき人たちでにぎわっている。

【上半期ヒット】自身がマリオになりきれるのは世界初
スーパー・ニンテンドー・ワールド(USJ)

 USJに完成した大規模エリアで、高い人気を誇るスーパーマリオのゲーム要素をモチーフにしたアクティビティーを用意。一番人気はAR(拡張現実)やプロジェクションマッピングを駆使したライドアトラクション「マリオカート~クッパの挑戦状~」だという。マリオをテーマにしたエリアは世界初で、希少性の高さも人気に拍車をかけている。

(c)Nintendo 画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
(c)Nintendo 画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

【上半期ヒット】城は高さ30メートル、人気映画を再現
東京ディズニーランドの新エリア

 東京ディズニーランドでは、20年9月に新エリアがオープン。映画『美女と野獣』『ベイマックス』をそれぞれモチーフにしたアトラクションなどを追加、総開発面積は4万7000平方メートルに上る。中でも注目は美女と野獣のアトラクションで、高さ30メートルの城の中で魔法のカップに乗って、映画のシーンを巡る仕立て。城の外も、同映画を再現した世界が広がる。

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