飲料市場では、健康志向に訴える新製品が消費者の支持を得た。カゴメの「GREENS」はフルーツと野菜100%の無添加ジュース。素材感を押し出したリニューアルの効果で、出荷を大きく伸ばした。下半期のブレイク期待では、カロリーゼロのレモン炭酸飲料や植物由来のコーヒーラテなどが注目される。

※日経トレンディ2021年6月号の記事を再構成

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 飲料市場は、コロナ禍で強まった健康志向に訴える新製品のヒットが目立った。中でも注目は、2021年3月にリニューアルしたカゴメの無添加ジュース「GREENS」。もともと砂糖・香料・着色料無添加で、素材本来の味や香り、色を打ち出した特徴的な製品だった。今回、キウイをかじったときの食感を残すといった改良を実施。それを「種までかみしめる」「皮ごとまるかじり」といった分かりやすいメッセージで訴求したことが奏功した。

【上半期ヒット大賞】前年同期の5倍売れたクラフトジュース
GREENS(カゴメ)

 フルーツと野菜100%のジュース。素材ごとに適度な大きさにクラッシュされたフルーツや野菜の食感が特徴だ。従来は「プレミアムスムージー」と打ち出していたが、素材を押し出す狙いで「クラフトジュース」と銘打ちリニューアル。発売から3週間の売れ行きは出荷計画の1.5倍で、前年同期の約5倍に伸長。ヘルシーかつ手軽に小腹を満たしたいと考えるテレワーカーの心をつかんだ。21年6月には「マンゴーと黄にんじん」を追加する。

 脂肪対策商品が多い機能性表示食品の無糖茶の中で、日本コカ・コーラが21年2月に発売した「からだおだやか茶W」は、「記憶力」と「血圧」の両方に効くというキーワードを打ち出した。このコンセプトが受けて、発売3週間で販売500万本を突破。相乗効果でトクホの「からだすこやか茶W」と合わせたシリーズ売り上げは、前年同期の1.5倍となった。

【上半期ヒット】機能性表示無糖茶でGABAを初採用
からだおだやか茶W(日本コカ・コーラ)

 14年発売の「からだすこやか茶W」の姉妹品。すっきりした味わいの緑茶をベースに、機能性表示食品の無糖茶としてGABAを採用。記憶力と血圧にダブル(W)で効くといううたい文句で競合品と差異化を図り、ヒットにつなげた。

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