
ホンダの軽自動車「N-BOX」が2017年度から3連覇していた新車登録台数。その牙城を崩したのが、トヨタ自動車の「ヤリス」だ。20年に発売されたSUV「ヤリス クロス」が圧倒的なコスパで競合を圧倒し、シェアを大きく伸ばした。EVでは、21年中頃に発売予定の日産自動車「アリア」が台風の目になりそうだ。
※日経トレンディ2021年6月号の記事を再構成
自動車の新車登録台数では、ホンダの軽自動車「N-BOX」が“3連覇”(2017~19年度)を果たしていた。その牙城が20年度(20年4月~21年3月)に、トヨタ自動車の「ヤリス」(旧ヴィッツ、20万2652台)によってついに崩れた。
立役者となったのが、ヤリスと同じプラットホーム(車台)で開発され、20年8月に発売された小型多目的スポーツ車(SUV)の「ヤリス クロス」だ。販売目標は月4100台だったが、21年3月末までの約7カ月間で6万4550台(トヨタ調べ)を売り、特に20年11月~21年1月には本家のヤリスを上回る台数を販売。これがヤリスシリーズの販売台数にそのまま上積みされ、シェアを大きく伸ばした。
【上半期ヒット大賞】ヤリスとの合計でN-BOXを抜く快挙
ヤリス クロス(トヨタ自動車)
好調に売れ続けたのは、小型SUVの中で圧倒的にコストパフォーマンスが高かったから。競合となるホンダ「ヴェゼル」(税込み211万3426円から)、マツダ「CX-3」(同189万2000円から)などに対して、ヤリス クロスは税込み179万8000円から。また、滑りやすい路面でも駆動力を自動調整して走行安定性を確保できる「4WDシステム」を搭載するなど、走行性能の高さも好評だった。
21年4月には、ライバルのヴェゼルが大規模なモデルチェンジを敢行。下期に向けて小型SUV市場は大激戦になりそうだ。
【下半期ヒット予測】小型SUV市場で真っ向勝負を挑む(期待度:★★)
ヴェゼル(ホンダ)
13年に初登場してから、過去4回普通車SUVの販売台数1位を獲得したヴィゼルが約7年ぶりのフルモデルチェンジ。内外装のデザインを刷新し、やや乗用車寄りのシンプルな外観にしつつ、後席のスペースを広げた。ヤリス クロスの牙城を崩せるか。
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