「生ジョッキ缶」だけじゃない! 酒類売れ筋&ブレイク候補10(画像)

2021年上半期の酒類ジャンルでは、キリンビールの「キリン一番搾り 糖質ゼロ」が大きな話題。糖質をすべてカットした国内初のビールで、消費者の健康志向を追い風に発売5カ月で1億本を売るヒットとなった。ワインサワーや変化形のレモンサワーも存在感を見せた。下半期のブレイク期待では、「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」や低アルコール飲料の新顔が注目される。

※日経トレンディ2021年6月号の記事を再構成

 2020年秋以降にアルコール飲料市場で話題をさらったのは、「キリン一番搾り 糖質ゼロ」(キリンビール)。発泡酒や第3のビールと呼ばれる新ジャンルで糖質ゼロをうたう製品は多いが、ビールのカテゴリーではこの商品が初だ。

前回(第10回)はこちら

 麦芽を50%以上含むビールの場合、発酵の過程で糖質が多く残りやすく開発が難しかった。キリンビールは通常の10倍以上となる350回もの試験醸造を5年間にわたり重ね、糖質を取り除く製法を編み出した。

 売り出すと、「どうせ飲むなら太りにくそうなビールを買いたい」という消費者の心をくすぐった。発売から2カ月で年間販売目標120万ケースを上回る160万ケースを販売。発売した20年10月はちょうど酒税改正の第1弾がスタートしたタイミングで、ビールの税額が350ミリリットル缶で7円下がるという追い風も吹いて、21年3月までに累計1億本を売った。このスピードは、同社が過去10年に発売したビール新商品の中では最速だった。

【上半期ヒット大賞】糖質ゼロで健康志向をくすぐる
キリン一番搾り 糖質ゼロ(キリンビール)

 酒税法上の「ビール」で、糖質をすべてカットしたのは国内初。糖質ゼロの発泡酒・新ジャンルに比べて、麦芽を50%以上含むビールならではの味わいを損なっていないのが売り。21年1〜3月の販売は年初計画の1.3倍と好調。実勢価格207円(350ミリリットル・税込み)。

■発売当初から計画を上回る売れ行き
■発売当初から計画を上回る売れ行き

 同じく酒税改正をきっかけに売り上げを伸ばしたのが、サッポロビールの「エビス」シリーズ。21年1月からは、好みやその日の気分で選べる自由度の高いプレミアムビールであることを前面に押し出し、香りを改良した「エビス プレミアムエール」などの複数ラインアップを“全部推し”。この戦略が奏功し、1〜3月はシリーズで前年同期比120%となった。

【上半期ヒット】選択できるプレミアムで支持拡大
エビス(サッポロビール)

 131年の歴史があるプレミアムビールが、リニューアル。通年販売の3種類のうち、「エビス プレミアムエール」は2種類のホップで香りを変更。21年3月には春限定の「エビス プレミアムホワイト」を発売。

 ビール以外で興味深いのは、サントリーワインインターナショナルが21年2月に発売した「サントリーワインサワー350ml缶」のヒットだ。ワインを炭酸水で割ったもので、「赤玉パンチ」などと違って甘過ぎないのがポイント。フルーティーなワインにレモン風味を加えてスッキリとした味わいに仕立てた点が受けた。

有料会員になると全記事をお読みいただけるのはもちろん
  • ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
  • ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
  • ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
  • ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー
ほか、使えるサービスが盛りだくさんです。<有料会員の詳細はこちら>