
YOASOBI、北村匠海、優里といった音楽界の新しいスターを続々と輩出するYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」。コロナ禍の新たな音楽体験を提供し、ヒットの源泉となった秘密とは何か。
※日経トレンディ2021年6月号の記事を再構成
白一色のスタジオに用意された一本のマイクにアーティストが歩み寄り、一発撮りの収録で渾身のパフォーマンスを披露する─―。ライブやフェスも満足に開催できないコロナ禍にあって、YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」が、魅力的な音楽体験に飢えた人々の支持を集める人気コンテンツになっている。
2019年11月のスタート以来、約1年半の間にアップされた動画は約140本(21年4月中旬時点)。チャンネル登録者数は20年9月に200万人、21年3月に400万人を突破と、20年末から21年にかけて加速度的に数字を伸ばしている。
【第2回】 YOASOBIや北村匠海を輩出 「THE FIRST TAKE」大ヒットの理由←今回はココ
新しい動画がアップされるのは、金曜日と水曜日の22時。毎週、若手からベテランまで様々なアーティストが登場し、歌われる曲も新作から過去の代表作まで様々だ。パフォーマンスのスタイルはバンド編成だったり、少人数編成だったりで、CD音源とは全く違ったアレンジも珍しくない。未音源化のカバー曲を披露する場合もある。音楽ジャーナリストの柴那典氏は、「公開日時が決まっていて、アーティストや披露される楽曲が事前にアナウンスされるので、オンラインライブさながら、みんなで一緒に見るという視聴体験ができるのも魅力」と言う。
「THE FIRST TAKE」設立の経緯について、運営スタッフはこう説明する。「洋楽の人気アーティストでは、歌唱動画やリリック・ビデオなどミュージックビデオ以外でも様々なYouTube上のコンテンツがよく見られ、人気が広がるという現象があった。日本でも決まったルーティンのもとで様々なアーティストが楽曲を披露し、違う一面を見せるような音楽の映像コンテンツを作りたいというところがスタートだった」
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