激変! ノンアル市場 最前線

いわゆる「下戸(げこ)」の人でノンアルコールビールを飲む人はわずか6.9%……。日経クロストレンドは2021年4月、アルコールに関する全国1000人アンケートを実施。飲めない人がノンアルビールを飲まないことや、居酒屋のノンアルメニューに満足していないことが明らかになった。

飲まない(飲めない)人はノンアル・ソフトドリンクに満足しているのだろうか?(写真/Shutterstock)
飲まない(飲めない)人はノンアル・ソフトドリンクに満足しているのだろうか?(写真/Shutterstock)

 21年5月のゴールデンウイークの夜。居酒屋が連なる東京・池袋の繁華街は閑散としていた。居酒屋チェーン「ミライザカ」「三代目鳥メロ」などを運営するワタミ、焼き鳥チェーン「鳥貴族」を展開する鳥貴族ホールディングス、「塚田農場」を運営するエー・ピーホールディングス、「庄や」を展開する大庄など、居酒屋チェーン上場各社は、3回目となる新型コロナウイルスの緊急事態宣言が東京、大阪、京都、兵庫の4都府県に発令されたことを受け、対象エリアで営業する居酒屋業態店の臨時休業を決めた。まん延防止等重点措置による20時閉店の規制だけでも厳しかったが、利幅を取れるアルコールの販売まで自粛要請を出されては、休業に踏み切らざるを得なかった。

 “ノンアルウイーク”になった人も多いであろうゴールデンウイーク明けの特集は、ノンアルコール飲料に焦点を当てる。中でも、酒を飲まない(飲めない)・苦手な、いわゆる「下戸」マーケットについて考察したい。ちょうど1年前の20年5月に、ひふみ投信などを販売する独立系資産運用会社、レオス・キャピタルワークス会長兼社長の藤野英人氏が書籍『ゲコノミクス』で提唱した市場でもある(関連記事 「“ゲコノミクス”が経済を活性化する! ひふみ投信・藤野氏が断言」)。

【特集】激変! ノンアル市場 最前線

55.1%が「飲まない(飲めない)」人

 そもそも「飲まない(飲めない)人」はどれくらいいるのか。2019年の「国民・健康栄養調査」によると、飲酒頻度について、「飲まない(飲めない)」は37.2%。「月に1~3回」よりも低頻度の「ほとんど飲まない」15.9%と「やめた」2.0%を合算して「飲まない人」とすると、実に55.1%に上る。男女別に見ると「飲まない人」は男性38.1%、女性は70.3%だ。

飲酒の頻度
飲酒の頻度
出所:厚生労働省「国民健康・栄養調査」2019年

 「飲む人」が多い男性でも、飲酒習慣は年々低下している。飲酒習慣を「週3回以上の飲酒、飲酒日1日当たり1合以上」と定義して、年代別に20年前、10年前と比較したのが下のグラフだ。

飲酒習慣がある人の割合(男性)
飲酒習慣がある人の割合(男性)
出所:厚生労働省「国民健康・栄養調査」2019年、2009年、1999年

 1999年に34.0%あった20代男性の飲酒習慣は、2009年には13.4%に大きく低下し、2019年も12.7%とさらに減少している。このデータから「若者のアルコール離れ」という言葉が広まっているわけだが、アルコール離れは決して若者だけではない。飲酒頻度の低下は全世代に共通している。20年前と比べて40代男性の飲酒習慣は60.6%から38.3%へ22.3ポイント低下。50代男性も64.3%から41.4%%へ22.9ポイント減と大幅に減少している。

成人1人当たりの酒類消費数量の推移
成人1人当たりの酒類消費数量の推移
出所:国税庁「酒のしおり」

 成人1人当たりの酒類消費数量は、ピークだった1992年の101.8リットルから2019年は78.2リットルにまで減っている。これは人口が少ない20代のアルコール離れだけでは説明がつかない。団塊の世代(1947~49年生まれ)が70代になったことで酒量が落ちることが予想されるため、飲酒量は今後さらに先細る可能性が高い。

 したがって飲料メーカーや外食産業が今後の市場の成長を描くには、飲まない(飲めない)人まで含めて飲料提供を考えていく必要があるだろう。

 では、飲まない人・酒が苦手な人は、酒について、また飲み会についてどう思っているのか。日経クロストレンドで全国20~60代の男女1000人を対象にアンケートを実施した。

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