
凸版印刷は、コロナ禍における新しい買い物体験を提供する「IoA Shopping」を開発し、2021年度中に実用化する。リアルとバーチャルの融合を目指したユニークな取り組みで、リアル店舗と同じ商品や内装などを備えるバーチャル店舗をネット上に構築。スマートフォンでリアル店舗とバーチャル店舗を行き来しながら、ショッピングできるようにした。
「IoA Shopping」を開発した狙いは、リアル店舗とバーチャル店舗のメリット/デメリットを補完し合い、今までにない買い物体験につなげること。「リアル店舗は実際に商品を見ることができるし、思いがけない商品と出合うこともあるが、コロナ禍では行きにくい」「バーチャル店舗は人目を気にせず商品を試せるが、店員に直接質問をしにくい」など、それぞれにメリットとデメリットがあるからだ。
IoA Shoppingの場合、バーチャル店舗では自分の分身となるアバター画像が店舗を“歩き回る”ことが可能。気に入った商品をバーチャルに試すこともできる。友人など複数人が同時に接続し、それぞれのアバター画像が店舗内を移動しながら音声会話もできるようにした。リアルにショッピングしている感覚だ。
さらにリアル店舗の店員とのビデオ通話も可能で、商品に対する質問を直接することができる。リアル店舗には移動ロボットが配置され、スマホから操作が可能。リアル店舗の様子や実際の商品を、ロボットの「目」となったスマホの画面で見ることができる。まさにリアルとバーチャルの垣根を越えたショッピングといえそうだ。
従来のECではできない体験に
開発は凸版印刷のほか、Takram(東京・渋谷)が担当。さらに体験型小売店として知られる「b8ta(ベータ)」(国内は東京・千代田のベータ・ジャパンが運営)と組み、リアル店舗の「b8ta Tokyo - Yurakucho」とバーチャル店舗「Virtual b8ta」で2021年3月に実証実験を行った。
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