
自社のサイトやシステムのUX/UI(ユーザーエクスペリエンス/ユーザーインターフェース)をどのようにリニューアルすべきか、といった課題は今まで多くの企業を悩ませてきた。これまではボタンの色や形、位置などをデザインし、いかに使い勝手を向上させるかが問われた。だが、それだけでいいのか。
企業の顔ともいえるWebサイトの画面は、いわば企業ブランドの中心かもしれない。そんな視点からリニューアルしたのが、法務部門向けの契約管理システムを手がけるHolmes(ホームズ、東京・千代田)だ。2021年4月22日、同社が提供するサービス「ホームズクラウド」のUX/UIを大幅にリニューアルした。
17年から稼働しているホームズクラウドの特長は、契約作成から法務相談、押印申請、締結、保管、管理までと、契約のライフサイクル全体を1つのシステムで管理している点。すでに大企業からスタートアップまで、数百社の企業が導入しており、契約関連業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)として注目を集めているという。
顧客の声をフィードバックしていくうちに……
このタイミングでUX/UIを大幅にリニューアルしたのには理由がある。もともと法務担当者の業務を効率化するためのシステムとして開発したが、契約は法務だけではなく、事業部や営業部、経理や総務など、さまざまな部署が関与する。顧客からの声をフィードバックしていくうちに、機能などが合わなくなってきたという。
「3~5年先を見据え、契約業務のあるべき姿を定めたうえで、改めてホームズクラウドをアップデートしなければならないと思った。それが今回のリニューアルプロジェクト発足のきっかけだった」と、ホームズのUX/UIデザイナーの古谷臨氏は語る。
プロジェクトを支援したのが、デザインカンパニーのグッドパッチだ。以前に別のプロジェクトで協業した経験があり、そのときの実績から、今回も組むことにしたという。
自分たちらしさとは何か
グッドパッチが最初に行ったことは、ホームズという企業のブランドパーソナリティーを定義しようとしたことだ。企業のイメージ、つまり“ホームズらしさ”を決め、それを軸としてUX/UIに結び付ける。「サービスを通じて統一的な体験を顧客に届けるため」とグッドパッチのUXデザイナー、三浦寛大氏は言う。
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