「競合は映画」オンラインツアー激戦に 専門の旅行サイトが始動(画像)

コロナ禍で移動が制限される中、旅への興味やニーズをつなぎ留めようと、旅行会社や宿泊施設などが注力しているオンラインツアー。この1年でその数は急増した。一方で、そうしたツアーと顧客をどうマッチングさせるのかは新たな課題。そこで生まれたビジネスがオンラインツアー専用の検索サイトだ。

 トラベルズー・ジャパン(東京・新宿)は2021年4月にオンラインツアー専門の検索サイト「ONTABI(オンタビ)」を始めた。同社は、世界11カ国に3000万人以上、国内100万人の会員を抱える旅行情報メディア「トラベルズー」を運営している。これまでリアル旅行の分野で国内外のホテルや観光の情報を発信してきた。そのノウハウを生かし、オンラインツアーの分野にも進出する。

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 ONTABIでは、アジアや欧州といった「エリア別」、自然・絶景や世界遺産といった「テーマ別」、参加費の「予算別」、運営している「会社別」といった切り口でオンラインツアーを検索できる。

 ONTABI立ち上げの理由として、トラベルズー・ジャパン取締役の小板橋直也氏は、「オンラインツアーが急拡大する一方で、消費者にとっては、どんなツアーがどこにあるのか、誰が提供しているのか全く分からない状態になっている。このままでは市場を育てていくことが難しいのではないか」という懸念を口にした。

 20年以降、オンラインツアーを提供する旅行会社や宿泊施設、観光地が法人、個人を問わず増えている。新型コロナウイルス感染症の流行拡大に伴う移動制限で国内外を問わず旅行が難しくなる中、消費者の旅への興味をつなぎ留めるのが狙いだ。

 参入障壁が低いことも追い風になっている。通常、ツアーを企画する場合、旅行業法に基づき行政への登録が必要となるが、オンラインツアーではその制約がない。このため、自治体や海外在住のYouTuberなど異業種からの参入も相次いでいる。また、東京都では20年10月から、オンラインツアーなどの商品を企画・販売する場合に必要な経費の一部を補助する「オンラインツアー造成支援事業」を実施。対象経費の2分の1以内で200万円を限度に補助している。

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 こういった流れの中でオンラインツアーが増加しているが、その規模や事業主体、情報発信の仕方はバラバラ。消費者がオンラインツアーに興味を持っても、自分のニーズに合うツアーを見つけにくい。トラベルズーが目を付けたのはそこだった。

 「旅行会社の中には新規事業としてオンラインツアー市場に参入したものの、販路がない、なかなか認知されないと悩むところは多い。消費者もオンラインツアーを知らないし、参加したことがないという人がほとんど」と小板橋氏。その一方で、同社がトラベルズーの会員を対象に行ったアンケートによると、オンラインツアーに参加したことがある人の過半数が「もしコロナが終息してもオンラインツアーには参加したい」と考えており、満足度が高いことが分かった。「非常にもったいないと思った。事業者と消費者を結ぶオンラインツアーの検索サイトができれば、市場が広がる可能性は十分にあると考えた」と小板橋氏は熱弁する。

 21年3月から構想を進め、4月9日にONTABIを公開。15以上のオンラインツアーを扱うサイトから1000件以上のツアーを掲載した。本当にニーズがあるのかを検証するため、初期は網羅性と検索性に特化した最低限の機能に絞り、開発期間約1カ月で立ち上げたのだという。

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