電通グループがまとめた新時代の購買・販売体験(ショッピングエクスペリエンス)を展望するホワイトペーパー「NEW SHOPPING EXPERIENCE REPORT 2021」から、今回は「金融」分野について紹介する。鍵となるのは、莫大なデータやサービス群から必要な情報を取り出すパーソナライズだ。

電通グループと米コンサルファームfrog designがOMO(オンラインとオフラインの融合)時代の新リテールを展望するホワイトペーパーから「金融」分野のトピックを紹介する(写真/Shutterstock)
電通グループと米コンサルファームfrog designがOMO(オンラインとオフラインの融合)時代の新リテールを展望するホワイトペーパーから「金融」分野のトピックを紹介する(写真/Shutterstock)
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 電通グループ7社はOMO(オンラインとオフラインの融合)時代に沿った購買体験をデザインするプロジェクト「dentsu SX(エスエックス)」を、米国のコンサルファームfrog design(フロッグデザイン、以下frog)と共同で立ち上げた。OMO時代の新リテールを展望するホワイトペーパー「NEW SHOPPING EXPERIENCE REPORT 2021」では、「コスメ」「金融」「ファッション」「日用消費財」「家電品」と5つの業界で、今後リテールの現場で起きる変化を展望している。第2回の本記事では「金融」分野について紹介する。

関連リンク(クリックで別ページへ):
「dentsu SX」のWebサイト
「金融」のホワイトペーパー

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パーソナライゼーションと共感獲得

 現代の生活者は個人にパーソナライズされたサービス・経験を求めるようになっています。金融サービスにおいても同様で、店舗・対面を通したパーソナライズされたサービスを引き続き望んでいます。韓国サムスン電子が行った銀行サービスに関するユーザー調査では、米国ユーザーの大多数は世代や収入レベルにかかわらず、ローンやアドバイスなどの人生設計に大きな影響を与える可能性のある相談は対面のやり取りを好んでいることが分かっています。 送金サービスのデジタルシフトは進んでいますが、自身の人生を大きく左右するような規模の取引や複雑な金融商品に関するアドバイスは直接会って話をしたい/聞きたいというニーズは残り続けるでしょう。しかし、生活者はプロフェッショナルによるアドバイスに価値を感じている一方、利害の相反する立場であること故の警戒感を抱いていることも事実です。

 これまでは対面による相談・会話を通じ生活者と信頼関係の構築していくことが比較的容易でしたが、これからはどのように良好な信頼関係を生み出していくべきか考える必要があります。コロナ禍により、店舗への来店頻度が減ったこと、日々の銀行取引をオンラインで完結させる生活者が増えていることや、 支店の閉店・コスト削減を求められている中、銀行店舗はオンラインと相乗効果を生み出す新しいクリエーティブな顧客接点、信頼を生み出さなければなりません。

 電通×frogが見るOMO変革「金融分野のWHAT'S NEXT」 

 経済協力開発機構(OECD)が実施した金融リテラシー調査において、日本は対象30カ国・地域中22位という結果になっており、日本人の金融リテラシーはまだまだ発展途上です。 ただ、年金システムに対する不信感、普通預金の低金利に対する不満により、資産運用の必要性を感じる人も増えています。

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