電通グループはwithコロナの中で急速に変化する新時代の購買・販売体験(ショッピングエクスペリエンス)を展望するホワイトペーパー「NEW SHOPPING EXPERIENCE REPORT 2021」をまとめた。日経クロストレンドでは、その中の業界別トレンドのポイントをまとめたエッセンス版を独占公開する。

電通グループと米コンサルファームfrog designがOMO時代の新リテールを展望するホワイトペーパーをまとめた。今回はコスメについて紹介する
電通グループと米コンサルファームfrog designがOMO時代の新リテールを展望するホワイトペーパーをまとめた。今回はコスメについて紹介する

 電通グループ7社は21年2月、OMO(オンラインとオフラインの融合)時代に沿った購買体験をデザインするプロジェクト「dentsu SX(エスエックス)」を、米コンサルファームfrog design(フロッグデザイン、以下frog)と共同で立ち上げた。その発足に伴い、同プロジェクトでOMO時代の新リテールを展望するホワイトペーパー「NEW SHOPPING EXPERIENCE REPORT 2021」をまとめた。「コスメ」「金融」「ファッション」「日用消費財」「家電品」と5つの業界について、今後リテールの現場で起きる変化を展望している。本連載では、それぞれのポイントを紹介していく。第1回の本記事は「コスメ」について紹介していく。

ホワイトペーパーが入手できる「dentsu SX」のWebサイト
ホワイトペーパーが入手できる「dentsu SX」のWebサイト
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「コスメ」のホワイトペーパー

早まるオンラインシフト、変わる店舗の役割

 これまで生活者が化粧品を購入する際には、購入前に店頭のテスターを用いて製品を試したり、高級化粧品の場合はBA(Beauty Advisor)との対話を通して生活者自身に合う製品を選択したりしてきました。しかしコロナ禍の影響により、外出する、化粧品を試すことが難しくなったことを背景に、購買促進手法のデジタル化が急速に進んでいます。「買う場所」がオンラインに移行しつつある中で、オフラインの店舗は「買う場所」としての役割から「体験を提供する場所」として新しい価値を生み出すための取り組みが行われています。

 オンラインにおける購買促進活動のひとつに、SNSやYouTubeを通した生活者への訴求が挙げられます。よりリアルな口コミがわかる場としてInstagramやYouTubeが以前から注目されており、オンラインでの化粧品購入への緩やかなシフトはありましたが、コロナ禍がこの流れに拍車をかけました。

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