
日本のアウトドアシーンをけん引するリーディングカンパニー、スノーピーク。コロナ禍で世界中が不穏な空気に包まれ始めた2020年3月、3代目社長に就任したのが創業家の長女・山井梨沙氏だ。結果は過去最高の業績を達成し、幸先の良い1年目となった。今や同社の重要な収益源となったアパレル事業を立ち上げたのも山井社長。第3回はそのアパレル事業で大切にしていることを聞いた。
スノーピーク社長
日常でも着たくなるアウトドア服の開発
スノーピークのアパレル事業が好調だ。立ち上げは2014年。6期目となった20年度の売上高は21億円を記録し、前年の18億5000万円から13%増となった。特に第4四半期(20年10~12月)の売り上げは、コロナ禍にもかかわらず前年から40%近い大幅な伸びを示し、アパレル事業全体の業績を押し上げた。
【第2回】 20年越しのリベンジ 会長が明かすスノーピーク流・米国攻略法
【第3回】 コロナ禍にアパレルをどう伸ばすか スノーピーク3代目が語る要諦←今回はココ
【第4回】 スノーピークが新潟に巨大テーマパーク構想 モノづくりの先へ
【第5回】 会長と社長、父娘の本音対談 コロナ後に待つスノーピークの未来
「立ち上げ当初に作った事業計画では、20年に70億円の目標を掲げていましたから、個人的にはだいぶ進捗が悪い(笑)。まだまだ伸ばせる余地はあるので、施策を打っているところです」と話すのは、20年3月にスノーピーク3代目社長に就任した山井梨沙氏。12年、スノーピーク入社後にアパレル事業を立ち上げ、自らデザイナーとして先頭を走り続けてきた。
父親である現会長の山井太氏は、自分の欲しいキャンプ用品がないからキャンプ事業を始めた。それと同様、山井社長自身も「アウトドアでも日常でも着られる快適な服がないからアパレル事業を始めた」という、似たもの親子である。
父親を筆頭にコアなキャンパーが集う会社だけに、山井社長に幼い時からアウトドアのバックグラウンドがあったのは当然だろう。やがて年を重ねるにつれ、ファッションにも興味を抱くようになった山井社長。彼女の日常生活では、アウトドアとファッションが当たり前のものとして共存していたという。ところが……。
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