
2020年に過去最高の業績を上げ、05年から15期連続で増収を達成するなどコロナ禍でも絶好調のスノーピークは、間違いなく日本のアウトドアシーンをけん引するリーディングカンパニーだ。同社でキャンプ事業を立ち上げ、オートキャンプに革命を起こしたのが会長の山井太(とおる)氏。アウトドア分野を核に事業拡大へ踏み出し始めたスノーピークに焦点を当てたこの特集。第1回は山井会長にヒットを連発するモノ作りの核心を聞いた。
山井 太(やまい とおる)氏
スノーピーク会長
スノーピーク会長
1959年新潟県三条市生まれ。明治大学卒業後、外資系商社勤務を経て86年に父が創業したヤマコウに入社。96年の社長就任と同時に社名をスノーピークに変更した
キャンパー目線で他にはない美しいものを作る
日本における“おしゃれキャンプ”の礎を築いたスノーピーク。その立役者であり、スノーピークをグローバルブランドへと昇華させたのが、2代目社長で現在は会長を務める山井太氏だ。自ら500アイテムを超える商品開発に携わり、「焚火(たきび)台」をはじめ、多くのヒット商品を世に送り出してきた山井会長にとって、スノーピークにおけるモノ作りへのこだわりとは、いったい何なのか。
「簡単に言えば、スノーピークはキャンパーとしてキャンプ用品を作っている会社です。自分たちがキャンパーとして使い勝手が悪いと思ったものや、使えないと思う商品は作りませんし、他社のコピーもやりません。明らかに他のブランドとは違うもの、圧倒的な差がデザインにも機能にも宿っているものだけを作りたいと思っています」
【特集】トップ激白 スノーピークのヒット考
【第1回】 「市場調査は意味がない」 スノーピーク会長、モノ作りの核心 ←今回はココ
【第2回】 20年越しのリベンジ 会長が明かすスノーピーク流・米国攻略法
【第3回】 コロナ禍にアパレルをどう伸ばすか スノーピーク3代目が語る要諦
【第4回】 スノーピークが新潟に巨大テーマパーク構想 モノづくりの先へ
【第5回】 会長と社長、父娘の本音対談 コロナ後に待つスノーピークの未来
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そう開口一番に語る山井会長。小さい頃からキャンプをたしなんでいるだけあって、“キャンパー目線”には一貫してこだわってきた。また、長く愛着を持って使ってもらうためには機能だけではなく、視覚や触感など、美しさも必要だと強調する。
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