キャンプフィールドに住空間をつくってきたスノーピークが、家具の販売をスタートした。好きなパーツを組み合わせて、自分好みの空間をつくれるモジュール型の家具「TUGUCA(ツグカ)」だ。製品の企画開発を担当した入社5年目のデザイナーに、開発の経緯や今後の展望を聞いた。

TUGUCAの企画開発を担当した、未来開発本部Gear開発課の鴨志田栄汰氏
TUGUCAの企画開発を担当した、未来開発本部Gear開発課の鴨志田栄汰氏
▼前回(第10回)はこちら スノーピークの街づくり 時代が求める“野遊びのある暮らし方”

収納する家具ではなく、空間をつくる家具

 2年の開発期間を経て、2021年10月に正式リリースされたスノーピークの家具シリーズ「TUGUCA(ツグカ)」(発売は22年4月末)。キャンプ道具を長年作ってきたメーカーならではの、自由に組み立てができて、必要な空間を自分の好きなようにアレンジできることにこだわったモジュール式の家具だ。柱をベースに、天板やシェルフ、ウォールパネルなどを組み合わせることで、自宅の中に理想のパーソナルスペースをつくれる。

TUGUCAを使った「子供の遊びと暮らしの場」。ポップアップイベントで展示した
TUGUCAを使った「子供の遊びと暮らしの場」。写真はポップアップイベントでの展示

 「キャンプをしない人たちにとって、どんなものを、どこに作ったらいいか、と考えたときにアイデアが浮かびました。家の中と外の境界線を曖昧にする、縁側のようなスペースを自宅の中につくれないかと思ったのです」と語るのは企画開発を手掛けた未来開発本部Gear開発課の鴨志田栄汰氏。新卒で18年にスノーピークに入社して以来、キャンプギアの開発部に所属して5年目。キャンプ関連以外の商品を多く担当してきたという“異色”のデザイナーである。

 「キャンプのための道具を作るというよりは、キャンプしない人にキャンプに興味を持ってもらう、自然に関わってもらうための商品を企画することが多いですね。TUGUCAも、変化のない家の中の時間を、自分の趣味趣向に合わせて変化させていける暮らしに変えられたらという思いで開発しました」(鴨志田氏)

鴨志田氏が最初に手掛けた「土鍋膳」は、キャンプでも家でも使える炊飯器
鴨志田氏が最初に手掛けた「土鍋膳」は、キャンプでも家でも使える

 モジュール式の家具は世の中にいろいろとあるが、TUGUCAの特徴は「収納する家具ではなく、空間をつくる家具」ということ。天板を取り付けてデスクワークをしたり、シェルフにお気に入りの書籍を並べたりすることを想定しているため、耐荷重や安全性、組み立てやすさにこだわった。

 「柱の高さが2000ミリメートルほどあるので、圧迫感が出ないようデザインにはこだわりました。抜け感が出るようにジョイント機能は柱の内部に収めて、向こう側が透けて見えるようになっています。裏表のない、スッキリとした見た目を心がけています」(鴨志田氏)

TUGUCAを使用したレイアウトの一例(2枚目)
TUGUCAを使用したレイアウトの一例

 柱のカラーはナチュラルウッド、ブラウンウッド、チャコールウッドの3色から選べ、関連するパーツはすべてバラ売りも可能。レイアウトの可能性は工夫次第で広がるというわけだ。

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