本連載ではこれまで、顧客の深層心理を知るために常設型オンラインコミュニティーをどのように活用するかを紹介してきた。最終回となる今回は、前回紹介した味の素 調味料事業部の常設型オンラインコミュニティーの取り組みについて、同社の岡本達也執行理事調味料事業部長に聞いた。
──常設型オンラインコミュニティーを導入した狙いは、従来の調査手法では顧客の声が捉えづらくなっているということでしょうか。
味の素 岡本達也執行理事調味料事業部長(以下、岡本) 生活者調査はここ10年くらいでダイナミックに変わったという印象があります。まず、定量調査からニーズを確認するのが難しい。生活者のニーズやライフスタイル、価値観がものすごく多様化しているので、統計の選択肢があまり意味をなさない時代になりました。
さらに、「Asking」の限界も感じています。密閉された空間の中でコンセプトを評価してもらったり、100%そこに集中しながらものを食べて評価してもらったりすることだけでは、生活者の実態や気持ちを動かすポイントが分かるところまでたどり着くのが難しい。
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