「入力データ」は食材、「アルゴリズム」は料理人、「オンプレミス」は自宅キッチン……。難解なAI用語も恐るるに足らず。料理に例えると一気に分かりやすくなる。あえて厳密さは犠牲にして、文系マーケターでも直感的に分かりやすく、「AIの何たるか」をご紹介。チキンカレーを題材に、AI技術をひもといていこう。
つい最近までバズワードだった「AI(人工知能)」は、もはや目新しいブームではなくなり、「どのように用いるか」という、より現実的な段階にフェーズが移行してきている。多くのビジネスシーンでAI活用が検討される一方、マーケターをはじめとする文系企画職にとっては、AIという専門技術を理解することは決して簡単なことではない。
AIとは何か。一体何を実現するテクノロジーなのか。その技術の内容を文系の方でも理解していただけるよう、厳密さを犠牲にして、直感的な分かりやすさ重視で“怪説”することに挑んだのがこの連載だ。AI開発スタートアップLaboro.AIの“ド文系”マーケターが、開発に従事する当社エンジニアのサポートを得ながら、分かりやすさを追求してAI技術をひもといていく。今回のテーマは「AIとカレー」だ。
“AI”にまつわるイメージ
AIという言葉一つとっても、Amazon Echoのようなスマートスピーカーを想像する人もいれば、Pepperといったロボットを思い浮かべる人もいるだろう。詳しい人であれば、機械学習やディープラーニング、画像系アルゴリズムのCNNやYOLO、自然言語処理で用いられるRNN、BERT、最近AI界隈(かいわい)で話題になったGPT-3など、具体的な技術ワードを思いつく人もいるかもしれない。
AIの定義は学者間でも異なっており、学術的にも定まったものはない。一般的だろうが学術的だろうが、AIという一つの言葉には、製品、技術、アルゴリズム、取り組み、開発、理論など、あらゆる側面を捉えた要素が含まれてしまっている。結果としてそのイメージも曖昧になり、理解をより複雑にしてしまっているようだ。
マーケティングをはじめとするビジネスシーンでAIを活用するためには、製品や理論としての側面よりも、AIがどのような仕組みで、何ができるのかを知ることがより重要だろう。そこで今回は、そもそもAIと呼ばれている技術がどのような仕組みで成り立つ技術なのかを直感的に“怪説”してみたい。実はAIは、料理に例えるととても分かりやすい。
AIとチキンカレーの共通点
今日はチキンカレーを作ることにしよう。その作り方をかなり大ざっぱに言えば、タマネギ、ニンジン、鶏肉、ルウ、白米などの食材を、レシピに沿って調理することでチキンカレーが完成する。言い方を変えると、料理本に書かれた工程通りに材料を投入すると、チキンカレーが出来上がるという構成で捉えることができる。
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