
人形やぬいぐるみといった玩具の世界にも、ジェンダーレスの考え方が広がりつつある。「バービー」で有名な米マテルがジェンダーニュートラルの人形を発売したり、国内でも性別を意識させない商品開発やコミュニケーションに取り組む企業が現れたりするなど、対応する動きが相次いでいる。
「バービー」や「きかんしゃトーマス」で知られる玩具メーカーの米マテルは2019年、ファッションドール「Creatable World」を発売。ジェンダーニュートラルな人形として話題を集めた。Creatable Worldの人形は性別が男女どちらかに設定されていない。「男の子はこうあるべきだ」「女の子はこうあるべきだ」といった既成概念にとらわれることなく、オプションの洋服や髪形を使って自由な組み合わせを楽しめる。
肌色や髪色、髪質が異なる数種類の人形をラインアップし、ダイバーシティーにも配慮している。米国を中心とする販売地域では売れ行きが好調だという。
そのマテルの日本法人、マテル・インターナショナル(東京・千代田)が20年11月、日本でジェンダーレスマーケティングの施策を打った。タレントのりゅうちぇるを起用し、「#おもちゃに性別いるのかな」と問いかけるインスタライブを開催したのだ。同社のベビー向け玩具ブランド「フィッシャープライス」と、サンリオの新ブランド「Sanrio Baby(サンリオベビー)」とのコラボ商品を発売したキャンペーンの一環だ。
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「#おもちゃに性別いるのかな」
インスタライブでは、「子供のころ、かわいい玩具で遊びたいのに、周囲の目を気にして遊べなかった」という体験を持つというりゅうちぇるが、性別とおもちゃ選びについて考える「#おもちゃに性別いるのかな」をテーマに語った。このライブには、1万8722人が参加。参加者からは、「おもちゃの性別、という切り口で考えたことがなかった」といった声が上がったという。
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