今回のSXSW(サウス・バイ・サウスウエスト) 2021で注目されていたのが、3Dプリンターでロケットを“印刷”してしまおうという米スタートアップのリレーティビティースペースのセッションだ。標準的なロケットに比べて100分の1の部品で、10倍の速度で製造することが可能だという。“印刷”したロケットは、2021年中の打ち上げを目指しているという。
「航空宇宙の分野で最大の3Dプリンターによる製品であると確信している。3Dの印刷が未来をどのように構築するのかを示す非常に優れた例だ」
米リレーティビティースペースのティム・エリス共同創業者CEO(最高経営責任者)はこう切り出して、「3D印刷でロケットを未来に打ち上げる(3D Printing is Launching Rockets to the Future)」のオンラインセッションを始めた。
10万点の部品点数が1000点に
リレーティビティーの最大の特徴は独自開発の大型3Dプリンター技術である。世界最大の金属対応の3Dプリンターで、ロケットをはじめとする巨大な構造物を直接形成することができる。接合部が少なくなるので構造をシンプルにできる。このため従来のロケットが10万点以上の部品を使用しているのに対して、1000点程度まで削減。ロケットの製造で使用する原材料は4種類のみだといい、部品点数も少ないことから製造のサプライチェーンもシンプルになる。結果として通常24カ月かかる製造期間が実に2カ月まで短縮できるという。
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