デジタル社会やメディアの総合展SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)が完全オンラインで2021年3月16日に開幕した。SXSWはテキサス州オースティンの街全体を利用して、イベントやコンサートを繰り広げ、参加者同士の交流が盛んなことも特徴だ。今回、主催者はVR(仮想現実)をフルに活用して、そうしたSXSWの世界観の再現に挑戦した。実際に使って検証してみた。
2020年春の新型コロナウイルスの感染拡大以降、米テクノロジー大手は大型のイベントをオンラインに転換して開催した。ただ、それらの多くが講演をオンラインに置き換えることにフォーカスしており、参加者同士の交流には力点を置いていないと言える。
一方、今回のSXSWでカンファレンスのコンテンツとともに注目されていたのが、コンベンションセンターだけでなく街全体で実施するその世界観をどう実現するかということだった。これに対してSXSWはVR(仮想現実)を準備してきた。VRを本格的に活用する世界でも数少ない大型イベントだろう。
SXSWによるVRの活用法は大きく2つある。1つはコンテンツの視聴だ。例年であれば現地でヘッドセットを着けたり、特殊な大型設備で体験したりしていたものが、自宅やオフィスでも楽しめるようになる。特定のヘッドセットやパソコンで見られるものを用意した。
VR内にコンテンツを設置し、イベントを開催
もう1つが今回のSXSW最大のチャレンジと言えるもので、例年開催していたテキサス州オースティンの街や施設を仮想空間として再現し、参加者同士がアバターを活用して交流を図るというものだ。ふらっと訪れて、他の参加者と話をしたり、劇場やギャラリーでVRコンテンツを見たりできる。またアバターのコンテストや開発者のミートアップ、ムービー、コメディーなど様々なイベントが繰り広げられている。確認できるだけで、1日に5~10のイベントがあり、そうしたものを楽しむことができる。
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