
著者の仕事の哲学
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- 第25回
- 2023.05.09
西野亮廣「お金の話を『銭ゲバ』と蔑む大人が日本を貧困に落とす」 芸人、絵本作家、映画の制作と様々な顔を持つ西野亮廣氏。クラウドファンディングやNFT(Non-Fungible Token)など、新たな消費トレンドや技術をいち早く取り入れてきた。時に早過ぎて「炎上」することもあるが、自身の作品展開のために斬新なビジネスモデルを生み出している。新著『夢と金』(幻冬舎)は富裕層の分析からNFTの最新戦略まで、「お金を学べ」と強いメッセージを発する内容だ。どうすれば社会や既存のビジネスに食い潰されず「夢のための金」を手にできるのか。 -
- 第24回
- 2023.03.31
時代小説家・永井紗耶子氏に聞く 「仇討ち」に引く江戸人もいた? 2022年に『女人入眼』(中央公論新社)が直木賞候補となり、今最も注目を集める時代小説作家の一人、永井紗耶子氏。新著『木挽町のあだ討ち』(新潮社)は、歌舞伎の芝居小屋・森田座を主な舞台に、とある「あだ討ち」事件の真相を目撃者たちの証言を基に解き明かしていく、ミステリー仕立ての一作だ。芝居の人気ジャンルでもある、あだ討ちという古風なテーマにどのように切り込んだのか。現代のエンタメの中で、時代小説の強みとは何か。執筆の背景を聞いた。 -
- 第23回
- 2023.02.27
棚橋弘至氏 「大胸筋で痛みを受けとめる」プロレスに人生のヒント 新日本プロレスの花形選手・棚橋弘至氏。「100年に1人の逸材」を自称し「疲れない」「落ち込まない」「諦めない」をモットーとする彼には、女性向けウェブメディア「OTEKOMACHI」の「お悩み相談アドバイザー」という意外な顔がある。回答を集めた『その悩み、大胸筋で受けとめる』(中央公論新社)を2022年12月に刊行した棚橋氏。超ポジティブな思考を持つプロレスラーは、仕事、恋愛、老後問題といった身近な人生相談にどのように挑んできたのか。 -
- 第22回
- 2023.01.27
「虚構を支える根は作家の真実」自伝小説刊行の山田詠美氏に聞く 人気作家・山田詠美氏が、2022年11月に自身の半生を描いた自伝小説『私のことだま漂流記』(講談社)を刊行した。文学少女だった幼少期から、挫折を経験した学生漫画家時代、小説家デビュー、黒人男性との結婚と離婚、様々なバッシングにもさらされた波乱のキャリアを描く。多くの出会いを通じ、小説とは、小説家とは何か、40年近くにわたり第一線を走り続ける作家の原動力とは何かを、率直な語りで伝える内容だ。 -
- 第21回
- 2022.12.13
圧勝4選の福岡市長・高島宗一郎氏、異色の「アヒルの起業絵本」出版 福岡市長として、スタートアップ支援政策をはじめとする行政改革を進め、人口増加率や市政税収の伸び率1位を実現。2022年11月に福岡市で過去最多票を獲得して圧勝し、4期目の再選を果たした高島宗一郎氏が、12月12日に自筆の絵本を出版した。空を飛ぶことを夢見るアヒルの子供が起業家と出会い、夢をかなえてビジネスを立ち上げるストーリーだ。現役市長はなぜ異色の「起業絵本」を書いたのか。 -
- 第20回
- 2022.11.11
異色の戦争小説で48万部ヒット『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬氏 新人作家のデビュー作でありながら、いきなり累計48万部のヒットとなり本屋大賞を受賞、直木賞の候補にもなるなど、2022年の小説を代表する一作となった『同志少女よ、敵を撃て』(早川書房)。ソ連軍に実在した女性狙撃部隊をモデルに、少女たちの目線から第2次世界大戦の独ソ戦をリアルに描く戦争小説だ。大ヒットの一方、受賞直前にはウクライナ戦争が勃発。著者の逢坂冬馬氏は、現実とのリンクに複雑な思いも抱えたという。 -
- 第19回
- 2022.10.11
『完全自殺マニュアル』から30年 鶴見済氏に聞く対人関係の処方箋 1993年刊行の『完全自殺マニュアル』(太田出版)がミリオンセラーとなり、社会現象を巻き起こした鶴見済氏。22年7月に刊行された新著『人間関係を半分降りる』(筑摩書房)では、約30年間一貫して取り組んできたテーマである「生きづらさ」への向き合い方や、身近な人間関係のトラブルやストレスにいかに対処すべきか、実践的な解消法を提案している。 -
- 第18回
- 2022.09.12
教科書のない辺境言語どう学ぶ 高野秀行氏に聞く語学学習の本質 ノンフィクション作家として世界各地を旅する高野秀行氏。英語から辺境の少数言語まで、今までに25を超える言語を学習。教科書が存在しない辺境の言語はネイティブに学び、文法の法則を自力で見つけ出す「言語オタク」としての経験を基に、新著『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)を22年9月5日に刊行した。高野氏の目に、日本の外国語教育事情はどのように映っているのか。 -
- 第17回
- 2022.08.05
『三千円の使いかた』60万部の原田ひ香氏 「お金と人生」描く新著 財テク×家族小説という切り口で『三千円の使いかた』が累計60万部のヒットとなった原田ひ香氏。2022年7月に新著『財布は踊る』が発売され、即重版となるなど注目を集めている。ブランド物の財布に憧れて節約を続ける主婦、情報商材にのめり込む男性、キャリアに行き詰まるフリーライターなど、様々な登場人物の懐事情をめぐるドラマを通じ、お金の知識が自然と学べる内容だ。円安や物価高騰など家計が逼迫する今、原田氏の考える「お金に惑わされない生き方」とは。 -
- 第16回
- 2022.07.08
仕事術本が10万部ヒット 「ゴッドタン」仕掛け⼈・佐久間宣⾏氏 テレビプロデューサーとして「ゴッドタン」「あちこちオードリー」など、テレビ東京で多くの人気番組を手掛ける佐久間宣行氏。2021年3月末に退社してフリーランスに。独立後初の著作『佐久間宣行のずるい仕事術』(ダイヤモンド社)が22年4月に発売、既に10万部超のヒットとなっている。佐久間氏はテレビ局という組織の中、いかに独自の面白さを打ち出すコンテンツを作り続けてきたのか。フリーになった今こそ語れる「組織の中での仕事術」が詰まった内容だ。 -
- 第15回
- 2022.06.03
自由で過酷な社会を生き抜く心に「補助線」を 東畑開人氏に聞く 臨床心理士として、現代人の心の問題と向き合ってきた東畑開人氏。2022年3月刊行の新著『なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない』(新潮社)が既に4刷となるなど注目を集めている。1990年代の心理学ブームが去って約20年あまり、仕事や家族の問題、孤独感、社会との折り合い方の難しさなど、時代の変化の中でさらに複雑になった「心の問題」に正面から取り組む内容だ。 -
- 第14回
- 2022.05.10
「歴史思考」はなぜ悩みを消す? コテンラジオ・深井龍之介に聞く ポッドキャストの人気歴史番組「COTEN RADIO(コテンラジオ)」。パーソナリティーを務める深井龍之介氏がこれまで番組で語ってきた内容を再構成した『歴史思考』(ダイヤモンド社)が2022年3月末に刊行され、既に2万部を増刷するなど注目を集めている。歴史上の人物や出来事によるケーススタディーを通じて、教養の価値を説く内容だ。深井氏が提唱する「歴史思考」とは何か。執筆の背景を聞いた。 -
- 第13回
- 2022.04.01
「オッドタクシー」此元和津也に聞く 会話劇と巧みな伏線でヒット 2021年4月に放送を開始したオリジナルのTVアニメシリーズ「オッドタクシー」。緻密な伏線や会話劇の妙で放送中盤から加速度的に注目を集め、最終回の意表を突く展開で、放送終了後からさらに人気を伸ばした。22年4月1日には『映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ』も公開。脚本を手掛けるのは、漫画『セトウツミ』(秋田書店)や映画『ブラック校則』の脚本で知られる此元和津也氏。注目の作家に脚本執筆の裏側を聞いた。 -
- 第12回
- 2022.03.04
矢部太郎に聞く、ヒット漫画『ぼくのお父さん』執筆の裏側 2021年6月に発売した漫画『ぼくのお父さん』(新潮社)が15万部超のヒットとなっている芸人・漫画家の矢部太郎氏。父である絵本作家・やべみつのり氏との幼少期を描く本作。バブル直前の時代の東京郊外を舞台に、家で毎日ひたすら絵を描き、子供たちと遊び暮らす風変わりな父の姿を、優しいタッチと絶妙な距離感で切り取り、読み手の心をつかんでいる。矢部氏に執筆の背景を聞いた。 -
- 第11回
- 2022.02.04
羽田圭介「ミニマリストの流行は人生を手早く変えたい欲求の表れ」 2021年11月に最新作『滅私』(新潮社)を発表した、芥川賞作家の羽田圭介氏。必要最低限の物だけで暮らす「ミニマリスト」の男を主人公にした本作。着想のきっかけは、根強いブームを背景に、「人生を最大化する」「物より経験」など、ミニマリストたちがブログやSNSで口々に発するフレーズが酷似していることへの違和感だったという。SNS社会の中で、借り物の言葉や思想に依存せず、自分の軸を持って生きていくために必要なこととは。 -
- 第10回
- 2021.12.28
町田そのこ氏「自分の人生は自分の責任」 親ガチャ時代の自立描く 『52ヘルツのクジラたち』(中央公論新社)が2021年の本屋大賞を受賞、40万部超のヒット作となった小説家・町田そのこ氏。受賞後第1作の『星を掬う』(同)では、「母と娘」という関係性の難しさを、女性の自立や介護問題といった多様な視点を織り込みながら巧みに描いた。 -
- 第9回
- 2021.12.03
なぜ「空気読めない人」は必要か 生物学者・小林武彦氏に聞く 地球上に約800万種存在するとされる生物の共通点、それは例外なく死ぬということ。生物の存在を「死」を通じて解き明かす、生物学者の小林武彦氏による『生物はなぜ死ぬのか』(講談社)が10万部を超すヒットとなっている。執筆の背景を聞いた。 -
- 第8回
- 2021.11.10
オールナイトニッポンを聴取率1位に 敏腕ディレクター石井玄氏 ニッポン放送の深夜ラジオ番組「オールナイトニッポン(ANN)」リスナーにとっては、パーソナリティーのオードリー、星野源、佐久間宣行らから番組中「石井ちゃん」「ひかるちゃん」と呼ばれる、おなじみの存在だ。ラジオディレクターとして数々の人気番組を制作してきた石井玄氏が、約10年間携わった深夜ラジオの現場をつづった著書『アフタートーク』(KADOKAWA)が2021年9月に発売され、即重版になるなど好調だ。 -
- 第7回
- 2021.09.30
綿矢りさ 小説家はなぜ、コロナ禍に「日記」を書き始めたのか 2021年9月に『あのころなにしてた?』(新潮社)が発売となった綿矢りさ氏。新著は小説ではなく、新型コロナウイルスに翻弄された2020年の1年間を日記にまとめた1冊だ。01年に17歳で文藝賞を受賞した『インストール』(河出書房新社)から、今年で作家デビュー20年。等身大の主人公たちを通じ、日常を巧みな感性で描いてきた作家は、コロナ禍の日々に何を考えていたのか。 -
- 第6回
- 2021.09.02
『無理ゲー社会』橘玲に聞く 「自分らしく生きる」が生んだ絶望 2021年6月に発売し、既に7万部を超えるヒットとなっている『無理ゲー社会』(小学館新書)。誰もが自分らしく生きることに価値を置くリベラル化する社会が、むしろ生きづらさに苦しむ人を急増させ、才能のある者以外にとっては絶望的なディストピアを誕生させたと指摘する。コロナ禍の困難な社会状況の中、反響を集める本書の執筆背景を著者の橘玲氏に聞いた。 -
- 第5回
- 2021.06.29
ブレイディみかこ「他者理解のエンパシーが自己の可能性も開く」 英国南東部の町・ブライトンで、現地中学に通う息子の身の回りの出来事や親子の対話を通じ、英国社会や人間の普遍的問題を描いて60万部のベストセラーとなった『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』。発売から2年後の2021年6月に刊行された『他者の靴を履く アナーキック・エンパシーのすすめ』は、前作の大反響のもととなったキーワード「エンパシー(他人の感情や経験などを理解する能力)」について、さらに考察を深めた「大人のための続編」だという。著者のブレイディみかこ氏に、執筆の背景を聞いた。 -
- 第4回
- 2021.05.24
『人新世の「資本論」』30万部の斎藤幸平 若き経済思想家の真意 経済思想家・斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』(集英社新書)が30万部超の異例のヒットとなっている。 人類の経済活動が地球全体に影響を及ぼす時代=「人新世」。現代の環境危機の解決策を、マルクスの新解釈の中に見いだすという硬派な内容ながら、コロナ禍にあって売れ続けている。1987年生まれの若き思想家が本書を執筆した背景とは。 -
- 第3回
- 2021.05.01
浦沢直樹に聞く〈後編〉 「漫勉」で一番勉強しているのは僕自身 『YAWARA!』『MONSTER』『20世紀少年』など、数々のヒット作を生み出してきた漫画家・浦沢直樹氏。現在は「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載中の『あさドラ!』で、戦後生まれの女の子・浅田アサを主人公に女性の一代記を描く。インタビュー後編では、新しい試みに踏み出す際の考え方や流儀、漫画家の創作の現場をテレビ番組で紹介する狙いなどを聞いた。 -
- 第2回
- 2021.04.30
浦沢直樹に聞く〈前編〉 やっと子供の頃の漫画の描き方に戻れた 国内累計発行部数は1億2800万部を超える。女子柔道ブームを巻き起こした『YAWARA!』、ミステリー漫画の金字塔『MONSTER』、実写映画版も大ヒットした『20世紀少年』など、数々のヒット作を生み出してきた漫画界の巨人・浦沢直樹氏。現在は「週刊ビッグコミックスピリッツ」誌上で『あさドラ!』を連載中だ。戦後に生まれた一人の少女の成長を描く「浦沢直樹流・朝ドラ」とはどのような作品か。そして、40年近く漫画を描き続けてきた創作の原動力とは? -
- 第1回
- 2021.03.24
なぜ鬼のツノを科学する? 人気の鳥類学者・川上和人氏に聞く 小笠原諸島に生息する鳥類の研究。一般人にはおよそ縁が無さそうなニッチな世界から、異例のヒット本を出している鳥類学者・川上和人氏。注目の新刊は『鳥類学は、あなたのお役に立てますか?』。絶海の孤島で過酷なフィールドワークを行い、研究調査地の噴火や崩落など様々な困難を経験した研究者が、コロナ禍の今に伝える科学的思考の価値、苦境への対処法とは?