46歳のときに青山学院大学の経営学部を受験し合格した、ロフトの矢野豊子氏。フルタイムで仕事をしながら夜の時間を授業や学習に充てた。後に早稲田大学ビジネススクールでも学び、深夜のファミレス学習や徹夜など苦労も多かったが、教授や同期生との出会いは大きな財産になった。こうした社員の学びを後押しするのが、ロフトの自己啓発支援制度だ。

ロフト 池袋ロフト 生活雑貨売場
矢野豊子氏(60歳)

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 「ロフトでずっと商品系を担当してきて、自分が何をしたいのか見つめ直したかった」という矢野豊子氏は、実学に近いものを学び直したいと、46歳のときに青山学院大学の経営学部を受験し合格。日中はフルタイムで働き、午後6時半から授業。仕事の繁忙期は、その後に社に戻って残業をすることもあった。

 途中からは大学のキャンパスに近い渋谷店に異動し、「青学での4年間、学生としての学びを本当に楽しんだ」。サービスマーケティングのゼミで、エコ商材や、地場産業・伝統工芸を生かしたもの作りに興味をもった矢野氏は、さらに大学院でテーマを深めたいと、早稲田大学ビジネススクールを受験する。

 選んだのは長沢伸也教授のゼミ。他社にはまねできない商品や物語のある商品を、価格で競争せずにパブリシティで訴求するラグジュアリーブランディングは、まさに矢野氏が学びたい領域だった。授業はほとんどがディスカッション形式。平日午後10時までの授業は、白熱して時間オーバーすることもあるうえ、土曜日は最大6時限の講義とゼミがある。指定論文の読み込みなどは通勤電車内の1時間を充てたほか、ベッドが見えると寝てしまうので、閉店する深夜2時までファミレスが自習室というハードさだった。中でも修士論文の提出間際の1カ月は徹夜の連続。最後の1週間は有休を取って乗り切った。

ラグジュアリーブランディングの論文や書籍を読み込んだ
ラグジュアリーブランディングの論文や書籍を読み込んだ

 修士論文にも取り上げた新潟県・燕三条の磨き技術を生かしたビアカップをロフトでも取り扱い商品にするなど、学びの過程で出合ったエコ商材は仕事にも生かせた。一番大きな収穫は、「モノづくりをしている人や商品と関わっていくという自分のライフワークが見えたこと」。徹夜でグループ発表の準備をした仲間をはじめ、大学、大学院時代の教授や同期生との交流は今も続き、財産となっている。

燕三条のビアカップ商品の導入や山中漆器の弁当箱の商品化にもつなげた
燕三条のビアカップ商品の導入や山中漆器の弁当箱の商品化にもつなげた

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