限られた時間で膨大な勉強量をこなす必要がある大学受験。大人の学びにも、今どきの受験勉強から取り入れられることがある。偏差値35から独自の思考法や読書術などを編み出して東大合格を果たし、その経験を著書などで広めている現役東大生・西岡壱誠氏の驚きの勉強法に迫った。TwitterやLINEが勉強の役に立つ? “写経”でリポートが上手になる? とは。

※日経トレンディ2021年4月号の記事を再構成

前回(第5回)はこちら

西岡壱誠 氏
にしおか・いっせい。1996年生まれ。現役東大生。偏差値35から東大入学を目指し開発した「思考法」「読書術」「作文術」で東大模試全国4位になり、合格を果たす。そのノウハウを全国の学生や教師に伝えるため、2020年にカルペ・ディエムを設立。YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営。オンライン学習コミュニティー「Schoo」でも講師を務めた。『東大読書』『東大思考』(いずれも東洋経済新報社)など、著書は累計40万部
『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(東洋経済新報社)。1650円(税込み)
『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(東洋経済新報社)。1650円(税込み)

 期間が限られる中で、膨大な勉強量をこなす必要がある大学受験。大人にも役立つ、今どきの受験勉強から学べる効率のいい勉強法があるはずだ。そこで、偏差値35から独自の思考法や読書術などを編み出して東大合格を果たし、その経験を著書などで広めている現役東大生・西岡壱誠氏の驚きの勉強法に迫った。

【1】アウトプットを想定する

 新しい知識や解法を覚えるのがインプットだとしたら、誰かにそれを説明するなどの行為がアウトプット。受験勉強というとインプットがメインというイメージがあるが、西岡氏はアウトプットを活用した。「例えば映画を見ていても、誰かに、見終わった後に良い映画だったとどのように紹介しようかと考えながら見ると、集中力が高まったり視点が変わったりする。勉強もそれと一緒」(西岡氏)。

 西岡氏が実践していたと言うのが、白紙やノートにその日学んだことを書き出す方法。教師の板書を改めてノートに書いてみるように、学んだ内容を要約してまとめていく。インプットの質の向上はもちろん、授業や参考書の理解度を測ることもできる。西岡氏は、「1回ですべて理解するのは大変だが、抜けている点を自力でチェックするのも難しい。弱点を見つけ、それを補強することで完璧な勉強に近づける」と言う。

 それをSNSやブログなどで公開すれば、さらに効果的だ。他人の目に触れることがモチベーションになり、勉強した内容をまとめる力も身に付けられる。西岡氏は、「アウトプットの質の向上は、インプットの質の向上に直結する」と言う。

インプットをSNSなどに投稿

その日学んだ内容の理解度をチェックするためには、自分で教師の板書を書いてみるように、学んだ内容を簡潔に要約してみるとよい。それを他人の目に触れる場所に公開すれば、SNSの「いいね」がモチベーションになるなど、アウトプットの質の向上にもつながる
その日学んだ内容の理解度をチェックするためには、自分で教師の板書を書いてみるように、学んだ内容を簡潔に要約してみるとよい。それを他人の目に触れる場所に公開すれば、SNSの「いいね」がモチベーションになるなど、アウトプットの質の向上にもつながる

 さらに、アウトプットの意外な方法の一つが、「1人LINEグループ」。そこに勉強した内容をアップしたり、参考になったページや問題の写真をアップしたりして後日見返せば、それが自然と復習になるという勉強法だ。

1人LINEグループを作る

勉強したことのメモ、参考になった本のページや間違えた問題をスマホで撮影した写真、動画のリンクなどを無造作に打ち込んでいく。後日、移動時間にでも見返せば自然と復習になるという方法だ。勉強と直接関係ない記事なども入れるとよい。今どきの日記代わりと言える
勉強したことのメモ、参考になった本のページや間違えた問題をスマホで撮影した写真、動画のリンクなどを無造作に打ち込んでいく。後日、移動時間にでも見返せば自然と復習になるという方法だ。勉強と直接関係ない記事なども入れるとよい。今どきの日記代わりと言える

【2】問いを大切にする

「東大生など頭が良いなと思う人は、学びの『総量』が多い」(西岡氏)。これはただ勉強量や読書量が多いわけではなく、日常生活のあらゆることから勉強のヒントを得ているのだという。

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