ECサイトの売り上げを高めるうえで、回遊性も重要なポイントだ。棚が整理されておらず、通路の幅も統一されていない店舗を想像してみてほしい。商品が探しづらく、買い物をしにくいはずだ。これはECサイトも同様。いくら商品ページが美しくとも、肝心の商品を探しづらい構造では商品ページにたどり着いてもらえない。第7回では、「回遊性」をテーマに、買いやすいサイトのつくり方を学んでいこう

(写真/Shutterstock)
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 見込み顧客が広告や記事などで商品やサービスを認知し、ECサイト内の商品ページに訪れたとしよう。商品をより詳しく知り、スムーズに購入に至るのが理想だが、中には「求めていたものと少しイメージが異なる」「もっと別のサイズがあれば」と考え、他の商品に広げて検討する場合もある。

 このとき、ECサイトの運営側としては、サイトから離脱されるのを防ぎたいと考えるはずだ。そこで、類似商品など他の商品も提案し、より希望に合ったものを検討してもらえるように促すことが重要になる。実店舗での接客を思い浮かべてほしい。来店者がじっとシャツを眺めていれば、販売員は熟考している様子を察して声を掛け、色違いやサイズ違いなどを提案するはずだ。

 これと同様に、ECサイト上でも、悩む訪問者に適した提案をして、他の商品にも目を向けてもらい、店舗内の回遊性を高めるための発想が欠かせない。特に自社ECサイトでは、検索キーワード、SNSの投稿、特定のメディアサイトなどから商品ページを訪れた場合、目的の商品だけを見て離脱してしまうことが多い傾向にある。そうならないよう、自社ECサイト内を回遊しやすいように関連商品への誘導枠や、サイトのナビゲーションを整えていくことが重要だ。

訪問者に合わせて適切な商品を提案

 その具体策を紹介していこう。まずは回遊施策の基礎についてだ。回遊施策のポイントは店舗主導で商品を提案するのではなく、訪問者の行動などに合わせて、適切なタイミングで関心に沿った商品を提案することだ。

 そのためにはまず商品ページの文脈を見直していこう。連載の第6回で、「商品ページをつくるうえで、消費者が感じるメリットやベネフィットを演出することが重要」と解説した。ページそのものだけでなく、関連商品の提案も文脈に沿って行わなければ、受け手である訪問者の違和感につながりかねない。そこで、違和感を与えないように、商品ページの文脈に沿ってサイトを回遊できるように設計する必要がある。

 例えば、ある商品ページから、デザインや価格帯が近い、他の商品ページを案内するリンクの設置については、その商品の特徴や訴求ポイントの説明が終わった後にまずは置いてみるのが定石だ。もちろん、設置後にCTR(クリック率)などで効果検証をしながら設置位置を変更するといった、改善策の繰り返しも欠かせない。

商品ページに関連商品のリンクを設置する場合、商品説明などの直後の設置が定石だ
商品ページに関連商品のリンクを設置する場合、商品説明などの直後の設置が定石だ

 次に、どのようなコンテンツを回遊先として設定するのが最適か検討する。これにはいくつかのパターンがある。例えば、同じ商品の素材違いといった他のバリエーションを案内する場合は、購入を検討中の訪問者の背中を後押しし、離脱率を下げることになる。また「併せて購入される傾向が強い商品」は、ついで買いにつながる可能性がある。

 もし適切なお薦め商品が浮かばない場合は、「イベントページへの誘導」つまり、例えば実施しているキャンペーンページへ誘導することも1つの手となる。ただし、「同じカテゴリーで売れている他の商品」など、魅力的な商品をあれもこれもと提案してしまい、ページ遷移をさせすぎてしまうと、かえって惑わせ、購入意欲の低下につながりかねない。そのため、あくまで「その商品の購入を検討している層に最適な提案であるかどうか」を判断基準にすることがポイントだ。

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