
全6回
データ活用最前線 進むパーソナライズ
収集したデータを生かして企業が収益を上げようとする試みは、オン・オフに関わらず当たり前になってきました。多くの企業が目指しているデータ活用法の1つが、ユーザー一人ひとりの好みをデータで分析し、最適なレコメンドを最適なタイミングで提示して購買を促す「パーソナライズ」でしょう。ネット上では既にこのレベルまでデータ利活用が進んでいます。一方、リアルな状況でも、こうしたパーソナライズを視野に入れた試みが始まりつつあります。今回は、パーソナライズを軸に、どんなデータ活用の取り組みがなされているのか、パーソナライズを推し進めるうえでの課題は何か、などについて、ユーザー企業のケーススタディーによって紹介していきます。
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第1回2021.03.15一休、売り上げ12%増に秘策 “2軸レコメンド”の威力とは?ビジネス現場に眠る多数のデータ。DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる中、改めて活用の機運が高まっている。中でも、ユーザーそれぞれに最適な情報を提供する「パーソナライズ」に各社は力を注ぐ。データサイエンティストの榊淳氏が率い、データドリブン経営を標榜する一休もその1社だ。売り上げ増につながった秘策と課題に迫った。
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第2回2021.03.15レコメンドの好機は? サントリー、トライアルがたどり着いた解九州に本拠を置くディスカウントストアのトライアルカンパニー(福岡市)が主導し、サントリー酒類や日本ハムなど計6社で2019年11月に結成した「リテールAIプラットフォームプロジェクト『リアイル』」。スマートストアでのAI(人工知能)活用とデータ分析を推し進める参加企業が、パーソナライズを意識しながらどんなデータ活用に取り組んでいるのか、その実態を追った。
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第3回2021.03.17オンワード旗艦店で売り上げ大幅増 現場を納得させたデータ分析オンワードホールディングス傘下のアパレル大手、オンワード樫山(東京・中央)が、2020年2月に傘下ブランドが直営する旗艦店4店にカメラを導入。撮影した映像から得たデータなどを分析・活用して、店舗の収益増に取り組み始めた。ある旗艦店では、ブランド全店の平均売り上げと比べて17ポイント増という高い成果につながった。
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第4回2021.03.17カインズが“次世代小売り”と組んだワケ リアル店舗を再構築ネットサービスに比べ、小売店舗では消費者の行動データを把握しにくいといわれる。その壁を打ち破るべく、体験型店舗「b8ta(ベータ)」への出品を決めたのがカインズ(埼玉県本庄市)だ。AI(人工知能)カメラで消費者の動きを追う最新店舗で得たデータを、既に商品づくりや店舗改良、マーケティング施策に生かし始めている。出品の狙いと効果に迫った。
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第5回2021.03.19データ連携で市民の健康状態を把握する神戸市 活用の鍵は信頼企業や自治体の今後のデータ活用にヒントを与えてくれる試みが、2021年3月5日に発表された。神戸市が市民の「ヘルスケアデータ連携システム」を構築し、その運用を始めたのだ。データを連携させて何を目指すのか、医療や介護などについての個人情報をどう扱うのか。神戸市の取り組みを追った。
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第6回2021.03.19データ活用の前提は「信頼」 “地域ポイント”躍進の理由を聞く企業を超えたデータ活用の先駆事例といえるのが、共通ポイントカードだろう。そんな共通ポイントとして、「地域限定」をうたう異色のサービスがある。リージョナルマーケティング(札幌市)が北海道で展開する「EZOCA(エゾカ)」だ。会員数は190万人以上、北海道の世帯カバー率は何と68%に達する。得られたデータをどう活用しているのか、大経済圏をつくってデータマーケティングを行う巨大共通ポイント陣にどう対抗しているのか、同社社長の渡部真也氏に聞いた。