
マーケターは日々の業務で何を重視し、消費者との関係強化のために何をしているのか。日経クロストレンドと日経MJが共同で実施した400人調査を基にその実態を読み解くと、ターゲットの絞り込みなどの事前準備に多くの力を割いていた。SNS重視の姿勢が強まる一方、社内のデジタル対応に課題があることも浮き彫りになった。
マーケティング業務の中で特に重視していることは何か? 25個の回答を用意し、最大5個まで自由に選んでもらったところ、最も多かったのは「ターゲットの適切な絞り込み(ペルソナの設定)」(34%)で、「消費者インサイトの理解」(33%)が僅差で続いた。
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「売り上げ、利益といった最終目標への貢献」(29.5%)や「キャンペーン・プロモーションの効果測定」(22%)を上回ったことから、商品やサービスを誰に届けるべきかを見極める事前の市場調査が、マーケターとして最大の腕の見せどころと考えていることが分かる。
一方でごく少数だったのは「AI(人工知能)やIoTなどのデジタル活用」(3.3%)、「リアル店舗とネットを融合するOMO」(2.3%)、「プライバシー保護の観点で広がるクッキー規制への対応」(0.8%)。最新技術をマーケティング業務に取り入れることや、クッキー規制強化という世界的な流れの中でデジタルマーケティングをどう進めていくかという視点は、まだ乏しいといえそうだ。
消費者との関係強化、SNSの他に何をしている?
「消費者(顧客)との関係強化のために何をしているのか」という設問では「メールマガジンを配信している」(34%)と「公式SNSを通じて、商品・ブランドの情報を積極的に発信している」(33.5%)が拮抗する結果になった。
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