
全6回
小売りDX「ネットスーパー新時代」
ネットスーパーは長らく「儲からない」サービスと言われてきた。だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて需要が急増し、新たな局面を迎えている。イオンやセブン&アイ・ホールディングスなど大手小売りはネットスーパー、ネットコンビニへの取り組みを小売りDX(デジタルトランスフォーメーション)の“本丸”として強化、スタートアップとの協業も進む。デジタル化により、サービスモデルはどのように効率化されたのか、生活者をひきつける工夫は生まれているのか。生活者とのラストワンマイルをつなぐ各社のDX戦略をひもとき、成功のポイントを探る。
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第1回2021.03.08ウォルマートに先行 驚異の地方ネットスーパー5つの成功条件ネットスーパーは長らく「もうからないビジネス」といわれてきた。その常識を覆したのが、三重県鈴鹿市のスーパーサンシだ。同社のネットスーパーは既に黒字化しており、高い日は売上高の4割をネット経由の注文が占める。米ウォルマートが2020年にようやくたどり着いた事業モデルを、スーパーサンシは既に実現している。
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第2回2021.03.08イオン、ヨーカ堂が組んだIT企業 「レシピから注文」の破壊力総合スーパー大手のイオンリテールとイトーヨーカ堂が、2020年にネットスーパー事業で相次ぎIT企業との連携を始めた。イオンはZホールディングス傘下でレシピ動画サービス「クラシル」を提供するdely(東京・港)と組み、ヨーカ堂はネットスーパー支援事業の10X(東京・中央)と専用アプリを開発。コロナ禍で需要が急伸し、小売りDX(デジタルトランスフォーメーション)の本丸ともいえるネットスーパーにIT企業はどう切り込むのか。
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第3回2021.03.10楽天、アマゾンとネットスーパーが協業 金鉱脈発掘に競争激化在宅勤務を中心としたニューノーマルな生活が定着する中、ネットスーパーの需要が高まっている。ただ、多くの企業は店舗事業が中心で、デジタルマーケティングのノウハウを持たない。そのため、大手企業がネット企業と手を組む動きが活発化している。
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第4回2021.03.10地域に根差すネットスーパー 「買い物代⾏サービス」が連携候補にスーパー各社がネットスーパー事業の拡大、新規参入を急いでいる。そんな中、システム構築に加え、商品のピッキング、配送という“3大参入障壁”をクリアするモデルで切り込むのが、ダブルフロンティア(東京・千代田)だ。同社は買い物代行サービス「twidy(ツイディ)」を展開、2025年までにスーパー500店との連携を目指す。その戦略とは?
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第5回2021.03.12セブン「ネットコンビニ」拡大 驚異のスピード配送が生む新市場スーパーマーケット各社がネットスーパーへの取り組みを強化する一方、コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパンも店舗からの宅配サービスの拡充を急ぐ。「近くて便利」なコンビニの機動力と、弁当を中心とした商品力を生かした「セブン-イレブン ネットコンビニ」は、食品ECの新地平を開けるか。
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第6回2021.03.12クックパッド生鮮EC快進撃 地域の「共同冷蔵庫」という新発想ネットスーパーやECが拡大する中、ドラッグストアやコンビニ、マンションなどに設置された共同の“宅配ボックス”に商品を届ける新機軸の生鮮食品ECが成長を遂げている。レシピサービス最大手のクックパッドが提供する「クックパッドマート」だ。店舗ではなく、個別宅への配送でもない“第3の買い方”ともいえるサービスとは。