SDGs 2021

味の素AGFがアスクルのECサイト「LOHACO」で販売中のドリップコーヒー「プレミアムドリップ Drip on the World グリーン(20袋)」が人気だ。環境に配慮した原材料を徹底活用した製品として注目を集めている。売上高は公表していないが、味の素AGF製品の平均値に比べ、約1.8倍の新規顧客を獲得しているという。

カエルのマークが、「レインフォレスト・アライアンス」認証。世界を旅する「ドリップ氏」が見つけたコーヒーを、手紙と共にユーザーに届けるというコンセプト「Drip on the World」なので、パッケージはエアメール風のデザイン。各面には環境問題を伝えるメッセージも記載。「for NATURE」は自然保護を意味する。個包装には「手紙」が書かれている。20袋入りで価格は1490円(税込み)
カエルのマークが、「レインフォレスト・アライアンス」認証。世界を旅する「ドリップ氏」が見つけたコーヒーを、手紙と共にユーザーに届けるというコンセプト「Drip on the World」なので、パッケージはエアメール風のデザイン。各面には環境問題を伝えるメッセージも記載。「for NATURE」は自然保護を意味する。個包装には「手紙」が書かれている。20袋入りで価格は1490円(税込み)

前回(第11回)はこちら

 「プレミアムドリップ Drip on the World グリーン(20袋)」のコーヒー豆は、環境に配慮した農産物の生産を支援する国際機関「レインフォレスト・アライアンス」認証の農園産を全面的に使用。パッケージの紙は、適切な森林管理を証明する国際機関の「FSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)」認証を取得している。コーヒーを抽出するドリッパーに使用している材料も、これまでの石油由来の材料を見直し、トウモロコシによる100%植物由来の材料に変えた。植物由来原料のコーヒードリッパーは日本初という。コーヒー豆の品質を担保するため、ドリッパーの個包装は従来と同じだが、コーヒー豆、パッケージ、ドリッパーまで環境に配慮した材料で作っている。

レインフォレスト・アライアンス認証における、コーヒー豆の流れ
レインフォレスト・アライアンス認証における、コーヒー豆の流れ
農園だけでなく、工場や流通なども同認証を取る必要がある。自然を守り、持続可能な世界の実現につながる。農園が管理されているかを審査・認証する「農園認証」と、製品を市場に送る際の「CoC(Chain of Custody、加工流通過程の管理)認証」などがある(レインフォレスト・アライアンスの認証機関のサイトなどから編集部作成)

ドリッパーの安定性確保が課題

 開発のきっかけは、アスクルが毎年開催する「暮らしになじむLOHACO展」だった。2019年は同展のテーマが「サステナブル」で、味の素AGFも環境に配慮した製品を開発。スティックの包材の一部に紙を使用した「ブレンディ スティック カフェオレ エコスタイル」を販売したところ話題になった。20年のLOHACO展もサステナブルがテーマだったので、今回はドリップコーヒーで挑戦した。

 個包装されたドリップコーヒーは、使いやすい半面、ごみとなるため環境の点では課題があった。材質を変更しようとすると、ドリッパーをセットする際の安定性に影響を及ぼす。そこで試作品をモニターの自宅に送り、使っている様子を動画に撮ってもらい、検証した。ドリッパーの材料を植物性由来に切り替えるめどがつき、20年のLOHACO展では味の素AGFの「Drip on the World」ブランドのコーヒーとして出すことにした。

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