
ユニクロを展開するファーストリテイリングがSDGsの取り組みを加速させている。2020年11月2日にユニクロが発売した「リサイクル ダウンジャケット」は、不要になったユニクロの服を回収し、新しい価値を与えて次の商品へ生かす「RE.UNIQLO」の取り組みの第1弾だ。7990円という低価格も話題を呼んだ。この価格で商品化できた理由とは。
リサイクル ダウンジャケットの価格は7990円(税込み)。コスト面ではバージン素材より高くなるが、あえて他のダウン商品と同程度に抑えた。これに先立ち同社は、2019年秋に「ウルトラライトダウン」の国内店舗での回収を開始し、計62万点を集めた。こうして回収したダウン製品の羽毛を再生し、新たな中綿として再利用したのがリサイクル ダウンジャケットだ。20年にはダウン商品の回収活動をグローバルに拡大し、9月下旬から日本を含む世界21の国・地域で順次、回収キャンペーンを開始。対象商品もユニクロの全ダウン商品に拡大した。
リサイクル ダウンジャケットを実現するために、使用済みダウン商品から高品質の素材を効率的に取り出す技術を、戦略パートナーである東レと共同開発した。回収したダウン商品は、専用ラインを持つ東レの工場に送られる。裁断したダウン商品を空気の流れでコントロールし、ダウン、フェザー、生地に分離し、再生素材を回収する仕組みだ。
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